「隠れ育休」などの改正育児・介護法の趣旨違反は55% 異次元の少子化対策よりも前にやるべきこととは?

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企業は男性育休取得の意義への理解が十分でない

   政府が今年3月末に発表した「こども・子育て政策の強化について(試案)~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~」は、男性の育休取得率の目標が2025年30%から、25年までに公務員85%(1週間以上の取得率)、民間50%に引き上げられた。

   また給付面では、いわゆる「産後パパ育休」期間内の育休給付金を8割程度(手取りで10割相当)引き上げ、中小企業に対する助成措置の大幅強化などもうたわれている。

   ただ、今回の調査結果に、NPO法人のファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也氏は、

「新制度『産後パパ育休』の導入によって、父親の育休がスタンダードになると期待したが、まだまだ時間がかかるぞ、と感じた。残念なのは、まず企業側の意識がまだ十分ではないことだ。明らかな法令違反があれば、指導改善を求めたい。また、育休が取得しやすい条件として、今回の調査でも『上司からの後押し』が1位となっており、パワハラまがいの発言や育休を取らせまいと圧力をかける上司はおそらく減っていると思うが、まだ改正法の主旨や男性の育休取得の意義への理解が十分でないと感じる」

   と指摘。つづけて、

「男性育休のメリットを腹落ちさせるためにも、管理職マネジャー層へのイクボス研修および当事者に向けた企業版両親学級を徹底する必要がある。働き方やワークライフバランスだけでなく、DVや児童虐待予防、ひいては少子化問題やジェンダーギャップを解く鍵は男性育休にあり。『男性育休は社会を変えるボウリングの一番ピン』ととらえて、企業も政府も前のめりで推進してほしい」

   とコメントしている。

   なお、調査は2022年4月以降に子どもが生まれた20歳以上の既婚男性を対象に、今年4月17日~19日に実施した。有効回答者数は、1030人(公務員127人、会社員887人、経営者・役員16人)。2011年、15年、19年と4年ごとに実施。今回で4回目。

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