「イマドキ夫が妻子を養うなんてアリ?」専業主婦の妻に共働き拒否された男性の投稿が炎上! 同居の義父に「家購入」援助されたことが仇に...専門家に聞いた(1)

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   「今どき夫が妻子を養うなんてアリ?」。専業主婦の妻にフルタイムで働いてほしいと願う男性の投稿が、話題を呼んでいる。

   子どもも大きくなったので、収入増のために共働きになりたいのだが、同居している妻の父親(義父)が「夫が妻子を養うもの」という「古風」な考え方の持ち主で、妻に働くことを許さないのだ。

   妻も義父に同調、節約一辺倒で男性の小遣いを切り詰めるありさま。しかし、男性は義父の援助で家を建てたため、頭が上がらず何も言えない。

   「義父にお金を返してから文句を言え」「イマドキのせいにするな。あなたの器が小さいから」。男性に対する風当たりは強い。妻に働いてもらうには、どうする? 専門家に聞いた。

  • 夫婦の悩みとは(写真はイメージ)
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「質素な暮らしに慣れている」妻の口癖は、「身の丈にあった生活」

   話題になっているのは、女性向けサイト「発言小町」(2023年4月7日付)に載った「今どき夫が妻子を養うなんて」というタイトルの投稿だ。

   投稿者は正社員の男性で、結婚して十数年。妻が全く働かず、専業主婦でいる不満をこう綴っている。

「私は妻と子供2人を養っていますが、会社の同僚を見渡すと、妻が正社員だったり、扶養範囲を超えてパートしたりしている人ばかりです。子ども大きくなり、手が掛からなくなったので、そろそろ妻にもフルタイムで働いて欲しいのですが、同居している義父がそれを許してくれません。何かにつけて夫が妻子を養うものと言い張ります」

   男性には、同居している義父に何も言えない大きな「弱み」があった。それはこんな事情だ。

「この家の購入には、義父から支援をもらったので強く言えないのですが、もう今の時代は夫が妻子を養うなんて無理だと思います。出来れば妻にもフルタイムで働いてもらい、世代収入を上げて豊かに暮らしたいと考えています。今どき、夫が妻子を養うなんて無理だと思いませんか」

   そう訴えるのだった。

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妻の生きがいは貯金?(写真はイメージ)

   さらに、延べ9本に及ぶ追加の事情説明の投稿によると、住んでいる家は義実家を建て替えた。義父の援助もあって一括払いで購入したので、ローンはない。大都会の好立地あり、会社まで自転車で通える。これでは、義父に頭が上がらないのも無理はないかもしれない。義母は他界し、投稿者夫婦と義父、子ども2人の5人暮らしだ。

   男性の不満は、「義父も頑固なら、妻も頑固です」。自分は小遣い稼ぎ程度の数回のパート経験以外、全く働かないのに、投稿者の稼ぎをすべて管理する妻に向けられる。もともと「質素な暮らしに慣れている」妻の口癖は、「身の丈にあった生活」で、「節約」が趣味だそうで、徹底している。

   男性の給与だけでも「節約すれば、子どもたちを大学まで出して老後資金も貯められる」と言って、年収の約半分の300万円を貯蓄に回し、月3万円の「小遣い」しか渡さない。その代わり、義父からは自分の小遣いをもらっているようだという。

   男性はこう訴える。

「ボーナス時に小遣いの上乗せもありません」「車は安い大衆車、外食は安いチェーン店、家族旅行は最安値の宿、趣味も封印、同僚や友だち付き合いも皆無」「家から少し歩けば華やかな街並み、お洒落なお店や有名ブランド店もありますが、素通りするだけ。内心、『貯金はあるのになあ』と思いますが、それも使わなければ無意味です」

   そして、「今の生活ではプチ贅沢もできません」「私は普通の生活がしたいだけです」と、改めて「イマドキの夫婦」のように、妻にも「フルタイムで働いて世帯収入を増やしてほしい」と願うのだが......。

「イマドキ夫婦は、妻の実家の援助を受けず家を建てます」

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義父に何も言えず悩む男性(写真はイメージ)

   この投稿には、男性がやたらに使う「『イマドキ(今どき)』のせいにするな」「あなた自身の器の小ささが問題では」という反発が非常に多かった。

「『今どき、夫が妻子を養うなんて無理だと思いませんか』。そうではなくて、あなたが妻を養いたくないだけでしょう。今どきのせいにするのはおかしい。今どきというのなら、あなたは家事をされています? 今どき夫が家事育児をしないなんて無理だと思いませんか? という質問にはどう答えるの?」
「妻子を養っている今どきの夫も結構いますからね。今どきで片付けてしまうなら、あなたも今どき義親と同居なんて、なぜしているの? と言われます」
「どんな考え方を持つにしても、『ご都合主義』『ダブルスタンダード』の発想はよくありません。あなたが専業主婦世帯と共働き世帯のどちらを希望するかはどうでも構いませんが、あなたの理由付けには共感できません。
ほかの夫婦とお金の稼ぎ方を同じにしたいと言うのなら、ほかの条件も同じにしなくてはいけません。『ほとんどの夫婦は奥さんも働いているぞ』と言うのなら、『ほとんどの夫婦は、奥さんの実家に頼らずに家を買っているぞ』という課題を無視してはいけません。 あなたの理屈はご都合主義ですから、お義父さんに対しても奥さんに対しても説得力がありません。奥さんに働いてもらいたいのなら、ご都合主義の理屈は完全に排除して、理にかなった説明をすることにしましょう」
「今どきは、義父が、家の購入支援をするのは当たり前なのですか? どうしても妻に正社員になって欲しいなら、支援してもらったお金を、現金一括で義父に返しなよ。そうすれば、何の遠慮もなくいろいろ言えるよ。返せないなら黙っているしかないよ」

「そういう人を選んで結婚したのはアナタ。もう、それに尽きます」

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そんな女性と知って結婚したアナタの選択?!(写真はイメージ)

   一方で、義父も妻も「モラハラ」だとして、義父だけでなく、妻の言いなりにもなっている投稿者に対して、歯がゆい思いをぶつける意見も多かった。

「あなたの稼ぎでしょう? どうして奥さんに全額渡して、奥さんが考える通りの小遣いを容認しているの? 新築の際の援助と家計は別ですよ。今からでも家計を取り戻したらどうですか? 給与振込先を変えて、生活費として本当に必要な金額を妻に渡せばいいのです。貯金もあなたの稼ぎですから、全額掌握するのです。そうしたら自由に采配できますよ」
「『働かざる者食うべからず』で、誰かに養ってもらうのが当然という考えはないし、家を建てて貰ったとはいえ、妻や義親の希望で同居するならそれが当たり前ではないでしょうか。
なぜ、義親が夫婦の世帯収入や働き方について介入するのか分かりませんが、子どもが自分の意思で会いに来られるような年齢なら、そんな家は早く出て単身者用のアパートでも住んだほうがよっぽどマシじゃないですか。
義父が頭を下げて、あなたに感謝することはあっても、偉そうに『娘を養え』と老人の話し相手確保のための要求など普通はしません。『だったら結構です』と、出ていけばいいと思います」
「男女逆の相談ってたまに見かけるような気がします。夫の義理の両親と同居している妻からの相談。夫とその両親の価値観を強要され、日々の生活がしんどい、といった内容。たいてい『実家に戻れ』というアドバイスになっているような気がします。
あなたの言う通り、きょうび、男も女もないのですから、ご実家に戻られたらいいですよ。望まない人生はいつか破綻するのですから。逃げてもいいのですよ。幸せを祈ります」
「節約は妻の趣味なのですよね。自分が使いたいお金は、時々のパートや父親からの小遣いで困らない状態にある。一方、あなたはじぶんの稼ぎにも関わらず、妻の趣味=節約に付き合わされるせいで、小遣いもままならないと。
最悪だわー。夫の小遣いを制限するなら、自分も親から小遣いもらったらダメでしょ。ダブルスタンダードだわ。義父がセットでついてくるなら、家なんかいらないよ。偉そうに言えないでしょ、義父だって。自分が住む家のお金を出しているだけだから、なんでそんなもの、ありがたがってなきゃいけないの」
「『そういう人を選んで結婚したのはアナタ』。もう、それに尽きます。奥さんは意思のある人間なのだから、あなたの考えの変化に合わせて労働の価値観を変えてくれると思ったら大間違いです。
逆にフルタイムの妻が、よく『夫が家事しない』という投稿を上げたりしますが、それも同じ。そういう人を結婚相手に選んだのはどなたですか?という話です。あなたは、その相手からのさまざまなメリットを受け取っているはず。デメリットだけ受け付けない、というのは不可能です」

「早起きして子どものお弁当作り、アナタにそれができる?」

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夫に家事を頼らず一人でこなしてきた(写真はイメージ)

   ところで、男性は妻に「フルタイムの正社員」で働くことを望んでいるが、「高望み過ぎる」「あなたに家事育児を担う気持ちがあるのか」といった批判も寄せられた。

「今から改めて仕事をするなら、まずは扶養内パートくらいにしてください。今時の中学生は、受験期は親のサポートが必要ですよ。学校公開や説明会も私は一年生のうちから目星をつけて、あちこち連れていきました。
高校生になると、早起きしてお弁当作りです。自分も歳をとってきて、早起き&フルタイムは死にそうです。そんなに働いて欲しいなら、あなたもきちんとお手伝い感覚ではなくて、家事分担してください」
「夫婦ともに働いて、保育園のお迎えや急な呼び出しで同僚や上司に頭を下げて、電車の遅延や渋滞に絶望しつつ、焦る気持ちと戦い、ぐずる子どもをなだめながら、ああ!オムツと牛乳だけは買いに行かねばならないのか!と子どもにごめんね?と詫びながらスーパーにダッシュすることもあるのですよ。
うちの園の保育園パパは役員もやるし、お迎えも、病院も行きます。もちろん家事も。というか、やらないと家が回らない。同僚のいいところしか目がいかず、自分が経験していない大変な日常があることをお忘れでは。いいとこ取りは無理ではないですか」
「収入が低いながらにも、ちゃんと節約してらっしゃる奥様は偉いです。私の父は仕事をちょくちょく変わって、収入がなくてつらい時は、日中働いて、夜中も働いて、私の母には一切働かせたりしませんでした。私は幼少の時、卵かけご飯で過ごしました。そして最後は難関資格を取得し、開業し、会社を立ち上げ、家族に億単位の財産を残しました。
義父に頭が上がらないというのであれば、それなりにあなたも頑張るべきであって、妻が働かないとか愚痴を言っている場合じゃありません」
「共働きが望ましいと簡単に言うけれど、日本ではまだまだ、いかなる女性も満たされた環境で定年までフルタイムで遣り甲斐をもって働ける状況が整っていません。子供にしても『もっと自分が手間をかけてやれば、もう少し良い学校に入れたかも...』などと感じている母親も周りに多いです。奥様は奥様で、自分を取り巻く人間関係の中で感じることが色々おありなのだと思います」

「子どもが大きくなれば、節約だけではどうにもならない現実がやってきます」

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大学入学までにけっこうなお金がかかる...(写真はイメージ)

   一方では、現実問題として、男性に対して「ファイナンシャルプランナーに相談したら」とか「副業して収入を増やしたら」といった親身なアドバイスもあった。

「ファイナンシャルプランナーに相談して、奥さんが働いた場合と働かない場合、子どもにかけられる教育費や老後の資金など具体的に算出してもらいます。そして、あなたが『無理だと思う』部分を専門家の力を借りて、客観的にわかるものにします。そのうえで、どちらがいいですか、と奥さんと義父に提示してみてはどうですか」
「奥様、子どもを大学に行かせようと思ったら、どれだけかかるかわかっていないのだと思います。我が家には大学生が2人、中学生が1人います」

   具体的にかかる教育費を示す投稿もあった。この人の指摘によると――。

「長男は、私立高校から理系私立大学へ。初年度(入学金、諸費用含む)200万円。2年以降は年170万円。
次男は公立高校から理系国立大学へ。高校時代の塾代が高1~高2まで月2万円。高3で予備校に通ったので、年間50万円。国立大入学後は、1年目は入学金と学費、諸経費(パソコン代含む)で120万円くらい。2年目以降は約70万円。大学院進学希望なので、まだまだお金が掛かる」

   そして、こう結んでいる。

「お子さんが県外の大学に進学するお宅は、さらに毎月10万円の仕送りが必要。お子さんが大きくなれば、節約だけではどうにもならない現実がやってきます。せめてまずは扶養の範囲でいいので働いて、きちんと貯金して未来に備えること。そして、ある程度の贅沢もして、ご主人の働くためのモチベーションを保つことも、大事であること」

   「お金」の悩みは尽きない――。

投稿内容に感じられる、男性の3つの悩み

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義父は「古い」考え方で...(写真はイメージ)

   さて、J‐CAST 会社ウォッチ編集部では、「イマドキ夫が妻子を養うなんてアリですか?」と、専業主婦の妻にフルタイム正社員を要求する男性の投稿をめぐる論争について、働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。

――この投稿とさまざまな回答を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか?

川上敬太郎さん「投稿者さんは『夫が妻子を養うなんて無理』と訴えていますが、それだけでなく、妻に財布を握られているため思うようにお金が使えないこと。それから、『夫が妻子を養うもの』という義父の考え方に反発を感じている様子など、ほかにもさまざまな不満を抱えていることがうかがえます。
ただ、投稿内容からは、夫の収入だけで妻子を養わなければならないことが不満なのか。妻に財布を握られていることが不満なのか。夫が妻子を養うべきとする義父の考え方が不満なのかなど、悩みの中核がわかりづらく、拡散してしまっている印象を受けました」

――なるほど。投稿者がいみじくも「今どき夫が妻子を養うなんて」とタイトルをつけたように、「夫が妻子を養うべきかどうか」が、論争の中心のように見えますが、実は投稿者の不満は3つがゴッチャになっているということですか。

川上敬太郎さん「はい、そのとおりです。その3つを整理して考えないと、問題の解決に至りません」

   このあとも、川上さんのアドバイスが白熱します――。<「イマドキ夫が妻子を養うなんてアリ?」専業主婦の妻に共働き拒否された男性の投稿が炎上! 同居の義父に「家購入」援助されたことが仇に...専門家に聞いた(2)>に続きます。

(福田和郎)

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