いま、注目のキーワードに「CX」「生成AI」「リベンジ消費」「リスキリング」
一方で、今回の調査で新たに追加したキーワードは、マーケティング分野の「CX(顧客体験)」と、テクノロジー分野の「生成AI(ChatGPTなど)」、消費トレンド分野の「リベンジ消費」「リスキリング」の4つとなった。
「生成AI」は、ChatGPTの登場で注目度があがっているが、国によっては規制の動きもあり、日本での動向が気になるところだ。
「CX」――すなわち、カスタマーエクスペリエンスとは、顧客視点での体験という意味。製品やサービスの機能面などの「合理的な価値」だけでなく、購入するまでの過程・使用する過程といった「感情的な価値」を重視するというもの。CXを高めることによって、「この製品をまた使いたい」というファンを増やすことにつながる。そのため、CX戦略は重要テーマだ。
「リベンジ消費」は、新型コロナウイルス感染症対策による行動制限からの反動で、消費者マインドに火が付き、旅行商品や高級商品の爆買いが起こる現象。ちなみに、昨今の情勢不安定や物価高を受けて、あまり起きていないという見方も。
「リスキリング」は、新たな分野や職務での新しいスキルを学びなおしていくこと。新しい仕事に就くために、あるいは、今の仕事で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するためには欠かせないものだ。
これまでみてきた各種スコアの「2軸」を使って表にまとめると、「マーケティング分野」の場合は下図のようになる。
同社はこうした各種ワードの伸び率から、以下のように分析している。
「将来性スコアの上昇率がマーケティング分野で高かったのが、0.39ポイント増の4.00となった『チャットbot』です。人間の指示に従って文章や画像などを自動生成する生成AI『ChatGPT』特需とも言える現象が、世界各国で起こっています。その流れを受けてチャットbotが改めて脚光を浴びていることが、本調査の結果でも裏付けられています」
「経済インパクトで前回調査より最も高い伸び率を示したのが、消費トレンド分野の『Z世代』(スコアは0.52ポイント増の3.64)。1990年代半ば以降に生まれた若者たちが、ファッションやコスメ、外食といった分野で消費のけん引役を担うケースが増えています。SNSの利用時間もミレニアル世代(1980年?90年代前半生まれ)に比べて2倍近く長いとされ、オフラインのみならずオンラインでも影響力が拡大していることが数字の上で裏付けられた格好です」
「テクノロジー分野では、『空飛ぶクルマ』(スコアは0.37ポイント増の1.88)が、伸び率で2位となったのが注目です。25年に開かれる国際博覧会(大阪・関西万博)では空飛ぶクルマの商用運航が予定され、23年2月に運航事業者5社が内定。そのうちの1社であるスカイドライブ(愛知県豊田市)が約150万ドル(約2億円)で個人向けの販売をスタートさせたことも話題になりました」