コロナ禍後の「不安の正体」は何か? 消費者の「行動特性と意識変容」調査...矢野経済研究所

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最も重要度の高い決定要素は「自分の興味・関心に合う」

   また、調査では1回1人当たり3000円未満のレジャー・サービス(たとえば、外食や映画、カラオケ、ショッピングなど)を利用する際の決定要素を12項目あげて、それぞれの重要度について、10点満点の評価で回答を得た。

   現在(調査時点=2023年3月)の評価とともに、コロナ禍前(2019年末~20年3月頃)の時点での評価を思い出してもらい、10点満点で評価を聞いた。

   12項目の決定要素の中で、現在で最も重要度の高いものは「自分の興味・関心に合う(平均7.16点)」だった。次いで、「コスパが良い・価格に納得できる」(7.04点)、「サービス・商品の内容が良い」(6.94点)、「安全性が高い(疫病対策、事故対策、衛生管理等)」(6.56点)、「場所が便利である」(6.48点)と続いた。

   一方、コロナ禍前の評価で最も重要性の高いものは、「自分の興味・関心に合う」(7.04点)だった。次いで、「サービス・商品の内容が良い」と「コスパが良い・価格に納得できる」が6.93点の同点で続いた。

   現在の重要度(10段階の平均値)をY軸に示し、コロナ禍前の時点での重要度(同)と現在の重要度(同)の差分をX軸に示して、散布図を作成した。【図2参照】

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図2 コロナ禍以前と現在で違う? 3000円未満のレジャー・サービスを利用する際に重視する決定要素

   重要度が大きく増加した決定要素は「安全性が高い(疾病対策、事故対策、衛生管理等)」、次に「1人で利用しやすい」ことであった。

   一方で、わずかではあるが重要度が下がった決定要素に、「ストレス発散・癒しになる」「日常とは違う経験・感動を得る」があげられる。

   矢野経済研究所は、

「レジャー用途としてのストレス発散や日常とは違う経験といった項目は、従来、レジャーを提供するベンダーにとってはサービスの付加価値をあげる重要な要素であったが、コロナ禍を経て、それらの価値が下がった調査結果となったことは注目に値する」

   としている。

   なお、調査は2023年3月に、全国の20~69歳の男女1000人のインターネットモニターを対象に、消費者アンケート調査、ならびに文献調査を併用して実施した。

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