リクルートのグループ会社であるRGFインターナショナルリクルートメント(中国・香港)は2023年5月23日に日本国内在住のグローバル志向の人材を対象とした、現状の仕事に対しての満足度および、転職活動の際に重視することを中心のアンケート調査を発表した。
このなかを見ると、転職動機として占める割合が高かったのは「責任ややりがいのある仕事」、「新しい役職への挑戦」のほか、国際企業で最近起きているレイオフなどを受け、「会社の将来性が心配」などが挙がった。
また、採用プロセスの中で重視する点は「上司やメンバーの経歴や能力」「組織の目指す戦略や目標」を提示することを求めている実態が明らかになった。
グローバル人材の転職動機 管理職以上では「責任ややりがい」、管理職未満では「会社への不安」がトップに
この調査は2022年12月12日から13日までの間、2022年11月時点で20歳から59歳までの就業者1349人を対象に調べたもの。グローバル志向の人材309人、国内人材1040人という内訳になった。
就業形態の属性でみると、経営者・役員が1.0%、会社員(事務系)が43.1%、会社員(技術系)が28.9%、会社員(その他)が25.8%、自営業が0.7%、自由業が0.5%となった。
はじめに、グローバル志向の人材の現在の仕事で、どの程度満足しているか、それぞれの項目について聞いた。「不満」「どちらかというと不満」の数値が最も高かったものは「社内の評価制度」(37.5%)で、次いで、評価制度と関係する「収入面」(37.2%)、「経営方針やマネジメントのリーダーシップ」(34.3%)となった。
一方で、「満足」「どちらかというと満足」の数値が最も高かったものは「上司や同僚との人間関係」(42.7%)、「キャリア形成」(42.1%)「柔軟で多様な働き方」(41.1%)という順になった。
続いて、グローバル志向の人材の転職動機について質問すると、「いまの会社の将来性に不安があるため」(17.8%)、「より責任ややりがいがある仕事をしたいため」(17.5%)「新しい役職にチャレンジしたいため」(13.6%)が高い順位にあることがわかった。
同社では、
「昨今、外資系企業のレイオフが相次ぐ中で、会社の将来性に不安を感じながらも、責任ややりがいのある仕事への意欲、新しい役職への挑戦など前向きな転職動機が見られた」
とまとめている。
また、管理職以上・管理職未満で分析した結果、管理職以上の転職動機で最も高かったものは「より責任ややりがいのある仕事をしたいため」で「25.9%」、「新しい役職にチャレンジしたいため」が「15.8%」となった。
一方、管理職未満で最も高かったものは「いまの会社の将来性に不安があるため」(20.5%)、つぎに「すぐに賃金を上げたいため」(15.9%)だった。同社は、「外資系企業のレイオフにより日本支社内で入り乱れる情報に不安を感じた転職相談、賃金アップを目指した転職相談が増えているようだ」と指摘している。