2024年卒大学生・大学院生の就職活動が佳境に入ってきた。
リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」(東京都千代田区)が2023年5月24日に発表した、2024年卒大学生・大学院生が対象の「就職プロセス調査(2024年卒)『2023年5月15日時点 内定状況』」によると、5月15日時点で早くも内定率が約72%、進路確定率が約48%に達した。しかし、企業の本格選考は6月から。勝負はこれからだ!
内定者ダントツの情報・通信、次いで製造、サービス、金融保険
調査によると、就職内定率(大学院生を除く)は72.1%で、同じ時点の昨年(2023年卒対象)の65.4%に比べ、6.7ポイントも上回る早いペースだ【図表1】。
内定率を文理別で見ると、「文系」が70.6%(前年比プラス8.4ポイント)、「理系」が75.6%(同プラス2.5ポイント)。特に「文系」が5月1日時点から6.8ポイントも増加したことが目立つ。
男女別では、男性(74.2%、同プラス9.4ポイント)のほうが女性(69.7%、同プラス3.6ポイント)より高い。5月1日時点ではほとんど差がなかったので、ここにきて男性の追い込みが目につく。
また、地域別にみると、関東(77.1%、同プラス9.5ポイント)が断然に高く、中部(77.7%、同プラス6.4ポイント)、近畿(70.7%、同プラス5.8ポイント)、その他地域(61.7%、同プラス0.6ポイント)と続き、地域差が大きいことが目立つ。
内定取得先の業種をみると、情報・通信業が29.3%と、ダントツに高い。「ChatGPT」など生成AI(人工知能)の開発競争に表れているように、ITスキルを持つ人材は世界的に奪い合いが激しく、優秀な学生は早くから海外からも誘いの手が伸びるため、IT系企業の選考が早く進むようだ。
次いで、ウィズコロナで企業活動が活発化した製造業(機械以外、15.1%)、機械器具製造業(15.1%)、サービス業(14.2%)、金融保険業(11.3%)、小売業(10.5%)などが上位に並んだ【図表2】。