「国際的歌舞伎アクター」「半沢直樹で人気」海外メディアが伝えているのは、猿之助さんの俳優としての存在感(井津川倫子)

「Hanzawa Naoki」(半沢直樹)アクター 大胆な「顔芸」でアジア人気が沸騰

   市川猿之助さんは、本業の歌舞伎だけでなく、テレビドラマやクイズ番組、映画にも積極的に出演して、人気の幅を広げていました。

   とりわけ、記録的な高視聴率で知られたTBS系ドラマシリーズ「半沢直樹」で演じた「伊佐山部長」役は、大胆な「顔芸」や「詫びろ、詫びろ」と迫る迫力満点の演技で、一世を風靡。歌舞伎の世界を超えて、人気俳優としての存在感を示しました。

Hanzawa Naoki actor Ennosuke Ichikawa found in semi-conscious state at home
(「半沢直樹」で知られる市川猿之助が、自宅で意識がもうろうとした状態で見つかった:ザ・ストレーツ・タイムズ紙)

   シンガポールの新聞「ザ・ストレーツ・タイムズ」は、ずばり「Hanzawa Naoki actor」(半沢直樹アクター)と、猿之助さんのことを紹介。主人公の半沢直樹に敵対する悪役・伊佐山泰二役として、「he left a deep impression on viewers」(視聴者に深い印象を残した)と伝えています。

   それにしても、「Hanzawa Naoki」(半沢直樹)が見出しになるほど、ドラマが海外で人気だったのでしょうか。疑問に思って調べてみたら、「半沢直樹ドラマシリーズ」は、とりわけ台湾や中国といったアジア諸国で大人気だったことが分かりました。

   ドラマティックな展開で韓国ドラマが人気を博すなか、「半沢直樹」のテンポの良さや「顔芸」などの飽きさせない演出、勧善懲悪のわかりやすいストーリー展開に「ハマった」人が多かったようです。

   海外メディアの報道からは、猿之助さんは歌舞伎の枠を超えて活動していただけでなく、国境も超えて人気を博し、演技力を評価されていたことが伝わってきます。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「be found」を使った表現を紹介します。動詞「find」の過去分詞で、後ろに形容詞を伴うと「~の状態で見つかった」「~だとわかった」といった意味になります。

His parents were found dead last night
(彼の両親は、昨夜遺体で発見された)

She was found in unconscious state
(彼女は、意識を失った状態で見つかった)

He was found guilty
(彼は有罪となった)

I awoke one morning and found myself famous
(ある朝目が覚めたら、有名になっていた)

   これまでのところ、海外メディアはスキャンダルな側面よりも猿之助さんの業績や今回の状況を淡々と伝えています。この先、どうなるのか。解明が待たれるところです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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