各国首脳を出迎えたのはBMW バイデン大統領はGMベースの専用車「ビースト」で移動 マツダ車でのエスコートは叶わず
では、G7期間中の展示各社への注目度はどうだったのだろうか。
サミットに先立つ各国首脳と岸田文雄首相の個別会談では、英国のスナク首相が18日の夕食会をはさんだ会談で、広島カープのロゴの入った真っ赤な靴下で登場し、話題を呼んだ。カープファンを自認する岸田首相が「わざわざ履いてきてくれたんですね」と喜ぶ場面もあった。
オタフクソースは、サミットで各国首脳に振舞われたお好み焼きのソースに使われた。外務省が明らかにした地元食材のひとつに登場した。
ところがマツダは、サミットで存在感がいまひとつだった。
米国以外の各国首脳を出迎えたのはBMWの最上級セダン「7シリーズ」だった。また、米国のバイデン大統領は、米ゼネラル・モーターズ(GM)の「キャデラック」をベースとした大統領専用車「ビースト」を持ち込んだ。
BMWは同社の日本法人が政府に提供を申し入れたもので、防弾ガラスなど特別仕様だったとみられる。岸田首相は、いつものようにトヨタ自動車の最上級セダン「センチュリー」で移動した。
もしもマツダに高級セダンがあれば、地元広島のサミットで各国首脳をエスコートする絶好の機会だったが、叶わなかった。
仮にマツダが車両を提供したとすれば、高級SUV「CX-60」だったろう。CX-60はマツダが「ラージ戦略」と呼ぶ直列6気筒エンジン、後輪駆動のSUVだ。世界的にブランドイメージの向上を狙う戦略商品だけに、「G7サミットで使ってもらえていたら」と、マツダや広島関係者は悔やんだのではないか。(ジャーナリスト 岩城諒)