ミドル世代の転職事情 転職コンサルタントは異業種への転職増加を実感! 成功率は「6割」...人気の職種は?

   同じ会社に勤めて十数年立つミドルエイジにとって、異業種転職への憧れはあるのだろうか? 壁の高さを感じているものなのだろうか?

   エン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)が2023年5月23日に発表した「ミドル世代の異業種転職」調査では転職コンサルタント178人に、ミドルエイジの異業種転職が増えているか聞いてみると、約7割のコンサルが増えていると回答した。

   また、転職の理由には業界・先行きの不安感や成長産業で力を試したい、給与水準の高い企業で頑張りたいなどの前向きな意見が並んだ。

  • ミドルの転職はハードルが高いのか?(写真はイメージです)
    ミドルの転職はハードルが高いのか?(写真はイメージです)
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ミドルの異業種転職、したい人が増えている実感「7割」 理由は「業界の先行きや自身のスキルを見直す人が増加」

   この調査は2023年5月2日から12日までの間、同社の運営する転職サイト『ミドルの転職』を利用するコンサルタント178人を対象に調べたもの。

(エン・ジャパンの作成)
(エン・ジャパンの作成)

   はじめに、「直近、異業種・異業界企業への転職を希望するミドル人材の増減は変化していると感じますか?」と問いかけた。すると「増えていると感じる」が「24%」、「どちらかと言えば、増えていると感じる」が「48%」で合わせて「72%」のコンサルタントが増えている実感があると回答した。

   2021年の調査と比べると、「どちらかといえば、減っていると感じる」の「13%」から7ポイント減の「6%」。「増えていると感じる」は5ポイントの増加となった。

(エン・ジャパンの作成)
(エン・ジャパンの作成)

   続いて、異業種への転職を希望する理由を尋ねてみると、「今の業界・会社の先行きが不安」が「71%」、「成長業界・給与相場の高い業界で働きたい」が「42%」、「働き方(勤務時間、休日など)を変えたい」が「39%」となった。

   自由回答の意見を拾うと、

新型コロナや地政学的な影響、それらからのエネルギー価格上昇、為替・円安の影響などで、好/不況業種がはっきりと分かれており、将来性に不安がある業種から転職したい
日系大手企業の終身雇用制度が崩れてきたことや、同僚など近くで働いている方でも転職経験者が増えてきたことから、業界の先行きや自身のスキルを見直す人が増加している
今後のトレンドであるIT/半導体業界にキャリアチェンジしたい求職者が増えている

   など、リモートワークをはじめとする柔軟な働き方が浸透している中で、リモートワークができない業界から離れたいという人が増えているらしい。

(エン・ジャパンの作成)
(エン・ジャパンの作成)

   つぎに、異業種転職の成功率についてみてみると、「担当したミドルの転職者のなかで、異業種企業への転職を実現された方はいらっしゃいますか?」と聞くと、「62%」が「はい」と答えた。2021年の同調査と比較すると、「はい」と回答したコンサルタントは15%増加した。

異業種転職で人気の業種「IT・インターネット」「メーカー」「流通・小売り・サービス」

(エン・ジャパンの作成)
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   続く人気の職種についての質問では、「営業・マーケティング系」が人気で「59%」の人が回答。「経営・経営企画・事業企画系」が次いで「50%」、「コンサルタント」が「40%」となった。

(エン・ジャパンの作成)
(エン・ジャパンの作成)

   引き続き、転職コンサルタントに、転職者の前の業種を聞いてみると、トップは「メーカー」(65%)、「IT・インターネット」が「50%」。最多と2番目で15ポイントのも差がついた。3番目は同率で「流通・小売り・サービス」と「コンサルティング」が並んだ。

(エン・ジャパンの作成)
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   また、転職先の業種と伺うと、トップは「IT・インターネット」(74%)、「メーカー」(66%)、「コンサルティング」(54%)の順になった。

(エン・ジャパンの作成)
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   一方で、転職コンサルタントに異業種転職をしたミドルに対して「採用企業が期待するもの」の上位3つを聞くと、「経験職種での専門知識・専門スキル」が「72%」でトップだった。次いで「新しい環境でも主体的に動ける行動力」(49%)、「マネジメント力」(40%)と続いた。

   調査結果では、IT・DX化や、AI技術の発展が進む中、業界ごとにおける将来性の明暗が分かれてきており、それを感じながら、リモートワークなどの柔軟な働き方を求めているミドル世代が増えてきているようだった。

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