「ルールどおりに仕事したので、私は悪くありません」お客様からのクレームに鈍感な若手社員...どう諭す?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE29(前編)】(前川孝雄)

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課題には発生型と改善型がある

   仕事においての課題とは、そもそも何でしょうか。それは、CASEの上司が部下の反応に頭を抱えたように、起こったトラブルの当事者が課題だと認識することで、初めて課題になるもの。すなわち、課題とはあるべき状態と現状との差といえるのです。

   さらに、課題には(1)発生型と(2)改善型の2つがあるととらえましょう。

   (1)はミスやクレーム・事故など、解決が不可避なものです。これに対して(2)は、あるべき状態=目標を自ら引き上げることで課題を新たに設定し、その解決に向けて改善を行うものです。創り出す課題=よりよい仕事に高めていくものともいえるでしょう。

   経験の浅い若手社員は、日々発生型の課題に直面します。そこでは、上司・先輩のサポートを受けながら適切な対処が求められます。対処が不可避な課題なので、迅速な報告・相談を含め、リスク対応への基本行動を身に着けることが不可欠です。

   しかし、発生する課題への対処ばかりでは、常に後手になりがちで、お客様や周囲にも迷惑がかかります。そこで上司には、部下が自ら創り出す課題を設定し、改善に踏み出せるよう育成していくことも望まれます。

   以下、(1)→(2)の順に、部下育成の方法を考えていきましょう。

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