この好調はいつまで? 今期は、資源などの市況の上昇が一段落か 今後の柱に脱炭素、デジタル
この好調は続くのだろうか。
各社の2024年4月期の純利益の予想は、資源などの市況の上昇が一段落して下落に転じるなどとして、一転して全社が減益の見通しを示している。
三菱商事が前期比22%減の9200億円、三井物産が22%減の8800億円、伊藤忠が2.6%減の7800億円、丸紅が23%減の4200億円、住友商事は15%減の4800億円を、それぞれ見込んでいる。
「過熱気味だった市況が落ち着きを取り戻す前提を置いた」(中西勝也・三菱商事社長)などと、各社、堅く読んだ数字であることを強調。「より次元の高い取り組みで、価格変動に耐えられるようにしたい」(堀健一・三井物産社長)というように、資源や為替に大きく左右されない事業構造の構築が引き続き各社共通の課題だ。
そこで、脱炭素やデジタルなどを中心に、持続的な成長モデルの確立が大きな柱になる。
三菱商事が「脱炭素投資2兆円」を打ち出し、23年3月期までに3000億円を投じ、国内外で洋上風力発電の開発を進めているが、こうした投資をしっかりと「稼ぎ」に結実できるかがカギになる。
また、コンビニのファミリーマートなど「川下」事業に力を入れる伊藤忠は、資源価格の変動などでも利益がぶれにくいのが特徴で、こうした強みを生かして着実な成長を目指すことも重要だ。