今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!

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   今年還暦を迎える人の貯蓄額の平均は3454万円! これって多いだろうか、少ないだろうか。

   PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険、東京都千代田区)が2023年5月10日、「2023年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」を発表した。

   貯蓄額の平均が3000万円台なのに対し、300万円未満が4割もいる。また、75歳を過ぎても働く続けたい人が7人に1人と、多様な人生観が垣間見える結果となった。

  • いつまでも仲が良いシニアカップル(写真はイメージ)
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貯蓄の「分断と格差」広がる、「300万円未満」4割、「2000万円以上」3割

   PGF生命の調査は、今年還暦を迎える1963年生まれの男女2000人(男女1000人ずつ)が対象だ。

   まず、現段階の貯蓄額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)を聞くと、貯蓄額の平均は3454万円となった。

   「100万円未満」(25.2%)に最も多くの回答が集まったほか、「100~300万円未満」(13.0%)や「500~1000万円未満」(11.8%)、「1000~1500万円未満」(10.1%)、「3000~5000万円未満」(7.6%)、「5000万円~1億円未満」(7.6%)、「1億円以上」(9.7%)などと回答が分散しているのが特徴だ【図表1】。

(図表1)現段階の貯蓄金額(PGF生命の調査)
(図表1)現段階の貯蓄金額(PGF生命の調査)

   こういったお金に関する統計は、ふつうは中央が山になるカーブを描くものだが、平均額が3454万円というものの、「300万円未満」が約4割の38.2%。一方で、「2000万円以上」が約3割の33.0%と、貯蓄の「分断と格差」が際立つ結果となった。「300万円未満」の貯蓄で老後をどうするのか、心配になる。

   貯蓄額の平均は、2018年の調査(2725万円)から着実な増加傾向が続き、2023年は(3454万円)は昨年から332万円の大幅増加(前年比10.6%増)となり、過去最高に達した。

   PGF生命では、止まらない物価上昇や不安定な社会情勢を受け、貯蓄性向が高まっていると指摘。また、2019年に話題となった「老後2000万円問題」を1つの契機に、将来への備えを意識する人が増えているのではないか、と推測する。

   「老後2000万円問題」とは、2019年に行なわれた金融庁のワーキング・グループの試算によって、現在の年金だけでは、夫65歳以上・妻60歳以上の標準高齢夫婦では、今後30年間で約2000万円の老後資金が不足すると発表されて話題になった。

   また、「『ゆとりのある生活』を送るために必要だと思う生活費(ひと月あたり)」を聞くと、平均27万8929円だった。こちらは、2019年(29万8764円)から3年連続減少していたが、物価高の影響もあってか増加に転じた。

   59歳時点で就労をしている人を対象に、「60歳以降、何歳まで働きたいか」を聞くと、「65歳以降も働きたい」(81.4%)と思う人が8割以上、「70歳以降も働きたい」(39.0%)と思う人が4割近くに達した。

   なかには、75歳以上になっても働きたいという人が13.6%いる。約7人に1人の割合だ【図表2】。この働き続けたいという意欲の強さは、過去の調査に比べて最高だという。

(図表2)60歳以降、何歳まで働きたいか(PGF生命の調査)
(図表2)60歳以降、何歳まで働きたいか(PGF生命の調査)

   2021年4月の改正高年齢者雇用安定法の施行によって、事業者には65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会確保努力義務が課せられるようになった。こうした就業機会の確保がしやすくなっていることも、還暦人の現役志向を高めているようだ。

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