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日本株上昇の背景に、世界製造業の「3月底」説

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日本銀行の植田和男総裁の金融緩和策継続が追い風に(日本銀行YouTubeチャンネルより)

   こんななか、日本株上昇の背景に「世界の生産活動は3月に底を打った」とする説を提案したのが第一生命経済研究所主席エコノミストの藤代宏一氏だ。

   多くのエコノミストが「世界経済は、主に製造業の後退を受け、今年後半から減速する」と予想しているが、藤代氏はリポート「経済の舞台裏:株価上昇の背景に『3月底説』」(5月18日付)のなかで、違う見方を示した。

「筆者(=藤代氏)は、世界的な製造業の循環的回復を予想し、その恩恵を日本株が受けると判断。世界の生産活動について『3月底説』を唱えたい」

   その根拠の1つにあげたのが、直近の米国製造業の経済指標だ。いくつかの指標が4月以降、上昇に転じているという。たとえば、【図表1】のグラフを見てわかるように、米国製造業PMI(購買担当者景気指数)は底打ち感を見せている。

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米国製造業PMI(第一生命経済研究所の作成)

   もう1つ根拠にあげたのが、世界経済の先行きを見るうえで重要な台湾の動向だ。台湾はIT関連財の生産集積地だ。藤代氏はこう指摘する。

「台湾の貿易統計によると4月の輸出金額は前年比マイナス13.3%と、依然大幅なマイナスだが、スマホやPC向けの需要が停滞する中でも、中国経済の回復等を背景に1~3月期からは回復しており、こちらも3月が『底』になっている」
「今後、中国経済が回復力を強めるなど、追い風が吹けば生産活動が底入れする可能性は高まっていく。そうであればTOPIX(東証株価指数)の予想EPS(1株当たり純利益)は電気機器セクターに牽引され、水準を切り上げていくと予想される」

   日本株上昇にも弾みがつくと予測する。

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