男子はグローバルに活躍するメーカー、女子は化粧品などの生活関連企業人気
続いて、子に勤めてほしい企業と、孫に勤めてほしい企業を分けて集計してみると、子どもに就職してほしい1位は国家公務員、2位は地方公務員、3位はトヨタ自動車となった。孫の企業では1位地方公務員、2位国家公務員、3位はトヨタ自動車という結果が出た。
同社の分析によると
「公務員を選択対象に加えた第5回調査以来、『国家公務員』、『地方公務員』、『トヨタ自動車』は子・孫の両方で常にトップ3にランクインしており、安定した人気を有しています。
また、子に勤めてほしい企業においては、『任天堂』や『オリエンタルランド』など、子どもが好きな製品・サービスを扱う企業が上位にランクインし、孫に勤めてほしい企業では、『東日本旅客鉄道(JR東日本)』、『東海旅客鉄道(JR東海)』の鉄道業2社が上位にランクインしました。
外資系企業として人気のGAFAMのうち、『グーグル(Google)』、『アップル(Apple)』、『日本マイクロソフト』は、子に勤めてほしい企業として人気がうかがえますが、孫に勤めてほしい企業における上位ランクインは『アップル(Apple)』のみとなっており、傾向にやや違いがみられる結果となっています」
としている。
つぎに男女別の集計を見てみると、男女のトップ3は「国家公務員」「地方公務員」「トヨタ自動車」が占めた。
男子に勤めてほしい企業は、「パナソニック」、「キーエンス」、「日本マイクロソフト」、「大塚製薬」、「三菱重工」、「デンソー」などメーカーが目立つ。
女子の子・孫に勤めてほしい企業は、「花王」、「イオン」、「タニタ」など、生活関連商品を扱う企業のランクインが目立つ結果になった。
さらに、子どもや孫が働く企業のイメージや期待する働き方のランキングを見てみると、全体ランキングでは「経営が安定している」(回答率56.1%)、「過重労働・ハラスメントがない」(同43.1%)、「やりがいがある」(同41.8%)の順となり、前回調査と同様の結果となった。
また、子・孫に期待する働き方を調査したところ、「趣味・特技を生かした活躍」(回答率47.3%)、「グローバル展開する企業での活躍」(同31.6%)、「業歴の長い企業で企業の歴史を学んでほしい」(同31.4%)となった。
詳しく見てみると、「グローバル展開する企業での活躍」は孫や男子で高くなっており、他方「企業に属せずフリーランスとして自由に勤務」や「新進気鋭のベンチャー企業で活躍」は低順位となっており、フリーランスやベンチャーが敬遠される結果となっている。
同社では総括として以下のようにコメントしている。
「本調査の企業ランキングや期待する働き方の結果からは、父母・祖父母は、経営の「安定性」を最も重視しながらも、お子さん・お孫さん自身の「趣味嗜好」に沿う仕事や、「グローバルな活躍」ができる企業への就職を希望していることがうかがえます。
就職活動中の大学生を対象とした「第9回 就職したい企業・業種ランキング(リスクモンスター調べ)」と比較しても、父母・祖父母が望む就職先と就活生本人が望む就職先には、多少の差がみられるものの、そのどちらにも名を連ねる企業は多く、双方が思い描く理想の就職先に大きな隔たりはないと考えられます。
お子さん・お孫さんが真剣に就職活動に取り組み、納得できる就職先を見つけることができれば、結果としてそれが親や祖父母の望む就職先といえるのではないでしょうか」
なお、この調査は2023年4月7日に全国の未成年の子(男女)を持つ20歳から69歳までの個人にインターネット調査し、800件の有効回答を得た。