高級車販売の「トップ営業マン」が売ったあとも、とある「お土産」持参で購入者を訪問する理由(大関暁夫)

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なぜトップ営業マンのもとには、お客様からの紹介が集まるのか?

   この紹介心理を説明するひとつの事例を紹介します。

   それは私が、トヨタの自動車販売店のお手伝いをした時の話です。この販売店には全国でも5本の指に入るほど、高級車レクサスを売っているトップ営業マンがいました。そこで彼の営業スタイルを知るべく、彼がどのような営業活動をしているのか、営業活動に同行させてもらうことにしました。

   まず驚いたのは、彼のお客様の大半が、もともとはお客様からの紹介先だったことです。なぜそんなにたくさんの紹介先を持っているのか不思議だったのですが、彼の活動に同行して、その理由が分かりました。

   彼の営業活動の大半は、最近時に新車を購入してくれたお客様訪問です。しかもたんに車の調子を聞きにいくだけではなく、必ず何かしらの「お土産」を持って訪問していました。

   「お土産」といっても、菓子折の類ではありません。購入してもらった車に関する情報です。

   たとえば、購入してもらった車をほめている雑誌の記事であるとか、あるいは同じ車種に乗っている有名人の写真とかまでもストックしていて、訪問の都度お客様が少しでも嬉しくなるような情報を届けていたのです。

   これが効果抜群で、「いい買い物をした」「この人から買ってよかった」という気持ちを引き出し、そしてその気持ちが転じて、周囲で車を買い替えようと思っている人がいた時に紹介、というかたちに発展するのです。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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