4月から新しい年度がスタートして部署や役職が変わって、人間関係で苦労している人も多いかもしれない。
ビズヒッツ(三重県鈴鹿市)が5月13日に発表した「職場の人間関係が改善できた方法ランキング」男女498人アンケート調査によると、職場の人間関係が難しくなりがちな人1位は上司、2位は同僚、3位は先輩というランキング結果になった。
実際に人間関係を円滑にする努力をした人は、「仕事の話だけではなくたわいのない話もして、緊張やガードを緩めていきました」などとコミュニケーションに力を入れている模様。
職場の人間関係を円滑にするためのヒントとは?
関係が難しくなりがちなのは上司!「会話がぎこちなくなりがち」「言いたいことも言えない」
この調査は、職場の人間関係を改善できた経験がある方498人に対して、2023年3月12日から26日までインターネットによる任意回答を行った。
498人の属性は女性288人、男性210人。年代別でいうと10代が0.6%。20代が19.7%、30代が41.0%、40代が25.1%、50代が10.8%、60代以上が2.8%となった。
はじめに、「職場の人間関係が難しくなりがちな相手」を聞いてみると、1位上司(41.8%)、2位同僚(39.0%)、3位先輩(12.9%)という順番になった。仕事をするうえで良く関わる相手との関係に悩んでいる人が多いようだ。
つぎに、職場の人間関係が難しくなりがちな相手の性別について質問すると、同性が「35.5%」となった。異性は「7.6%」となり、限定しないは「56.9%」の順になった。
どうやら職場の人間関係は同性同士でこじれることが多いようだ。
具体的な理由を自由回答で確認すると――。
1位 上司
年齢が離れた上司だと、円滑なコミュニケーションができず苦労しがち。古い価値観を押し付けられると、話す気もなくなってしまう(28歳 男性)
自分が仕事を失敗することで迷惑をかけ、ぎこちなくなりがちだから(32歳 男性)
遠慮してなかなか言いたいことが言えないため、ストレスがたまる(44歳 女性)
年齢差や経験の差から来る価値観の違いなどが理由で、上司とは合わないと感じてしまう人も多いようだ。
また、「目上の人だから」「お世話になっているから」と遠慮してしまい、上司に対して意見を言えず、ストレスを感じている人も多いのではないだろうか。
2位 同僚
同性の同僚。上司にちやほやされると同性から嫌われやすいから(23歳 女性)
仕事量に差が出たときなどに、不平不満が出やすいから(36歳 男性)
などの意見が上がった。
立場が近い同僚をライバル視してしまって、関係が難しくなることも多いようだ。
関係がこじれる原因としては、「昇給・昇格スピードに差がある」「特定の同僚だけが上司にかわいがられている」「相手が学歴や実績を自慢する」「仕事への熱量が違う」などが考えられる。
給料や評価に差があると、相手をうらやましく思ったり、「自分だって頑張っているのに不公平だ」と感じたりしてしまうものだろう。
3位 先輩
年下の先輩。先輩だけど年下なので、気を遣って壁ができてしまう(33歳 女性)
異性の先輩。異性かつ先輩なので、意識しすぎてギクシャクしてしまう(36歳 男性)
仕事するうえでは先輩から実務を教わることも多いので、先輩と合わないと苦労するだろう。
先輩との人間関係が難しくなる理由としては、「先輩の指摘が細かい・厳しい」「価値観の違う先輩だと相談しにくい」などが考えられる。
「年下の先輩に対して、どのように接したらいいのかわからない」という声も挙がっている。
このほかにも、次のような声も。
4位 部下
年上の部下。指示が出しづらい(35歳 男性)
指導を「いじめ」「嫌がらせ」と捉えられる可能性があるから(43歳 女性)
5位 後輩
世代が違うので、雑談しにくい(28歳 男性)
きちんと関係ができていないと、発言を悪く捉えられがち(30歳 女性)
7位 雇用形態が違う人
自分が正社員の場合、自分より社歴の長い年上のパート社員。相手からすると「自分より年下で仕事もあまりできないのに、自分より発言力があり待遇もいい」というのがそもそも気に入らないから(28歳 女性)
ベテランのパート社員。上司(正社員)は定期異動で変わるが、パート社員は同じセクションに10年以上いて仕事に詳しいのでプライドがあるから(49歳 男性)
明日からできる人間関係改善方法! 1位は「積極的にコミュニケーションを図る!」
調査ではほかに、職場の人間関係を改善できた方法についても聞いている。
上の表のように、2位との倍以上の差をつけて1位になったのは、「コミュニケーションを心がける」だった。
同社では
「『コミュニケーション』『相手の承認欲求を満たす』など、積極的に相手に働きかける人も多いようですね。
一方で『相手や周囲を意識しすぎない』『苦手な人と距離をとる』など、相手を変えようとはせず自衛の行動をとった人が多かったのも印象的でした。
相手を変えるより自分を変えるほうが簡単と考える人も多いのでしょう」
とコメントしている。
自由回答の意見を見てみると
とにかく自分から話しかけるようにしました。仕事の話だけではなくたわいのない話もして、緊張やガードを緩めていきました(31歳 女性)
大袋のお菓子を買ってみんなで分けて食べると仲良くなりました。ギスギスしなくなります(42歳 女性)
などが挙がった。
このほか、「雑談をふってみる」「機会をみて自分の意見も伝えてみる」など、コミュニケーションを心がけて改善につなげた例が多数寄せられた。
コミュニケーションをとれば相手のことがわかり、自分の考えも知ってもらえるため、距離が縮まることが期待できる。
関係がギクシャクしている場合についても、「話し合うことでお互いスッキリしたり誤解が解けたりして、関係がよくなった」という体験談が寄せられている。
ほかにも、次のような声が挙がっている。
2位 相手や周囲を意識しすぎない
とにかくあまり気にし過ぎないことに尽きます。ストレスを溜め込まないように、自然体で接すると良いです(47歳 男性)
3位 苦手な人と距離をとる
悪口や文句の原因になることをなくすように、とにかく距離を置き、可能な限り話すことをやめた(32歳 女性)
4位 相手の承認欲求を満たす
「◯◯さんのおかげです」など、とにかく相手を持ち上げてほめまくる(33歳 女性) などの声が集まっている。
今回の調査結果に対し、同社では以下のように総括している。
「職場で人間関係が難しくなりがちなのは、よく関わる『直属の上司』『同じ部署の同僚』などです。
納得できない理由で怒られてムッとしてしまったり、仕事のやり方が合わなくてやりづらさを感じたりすることが多いのでしょう。
関係を改善した方法としては、『積極的なコミュニケーション』を挙げた人が多数。 しかしコミュニケーションによって相手の考え方を変えようと思っても、難しいケースが多いと考えられます。
そのため『コミュニケーションによって相手の考え方を知り、自分が合わせる』『気にしすぎない』『どうしても合わないと思ったら距離をとる』といった方法で乗り切った人もいました。
努力しても人間関係が改善しそうになく、味方になってくれる人もいなくてツラいなら、異動や転職も考えてみましょう」