来年、米国経済悪化とともに日本経済が減速...
こうしたエコノミストの分析で共通しているのは、今回のGDP速報値に日本経済の今後を占ううえで、プラスとマイナスの要因が混在していることだ。
その点について、ヤフーニュースコメント欄では、ソニーフィナンシャルグループのシニアエコノミストの渡辺浩志氏が「内需と外需で明暗が分かれました」として、こう解説した。
「個人消費は経済再開に伴うリベンジ消費や自動車購入の増加などにより好調。続く4~6月期も新型コロナの5類移行に伴う制限緩和を追い風に、個人消費は堅調を維持する公算です。足元では食料品などのインフレが家計購買力を削いでいますが、賃上げの動きが広がっており、これが消費者マインドを下支えしています」
と、まずプラスの要因を解説。そして、マイナスのリスクについて、
「一方、輸出は大幅減。コロナ禍後の巣ごもり需要の反動減が尾を引き、製造業の景気が世界的に悪化していることが背景にあります。また、輸出はこの先も弱含みの公算。米国ではインフレ退治の金融引き締めで企業や家計の資金需要は減退しているほか、預金流出や貸倒れへの警戒から銀行の貸出態度も慎重化しています。米国は年内にも景気後退に陥る見込みであり、そうなると日本の企業部門は一段と厳しくなります。個人消費の回復だけでは景気を支えきれなくなり、来年には日本も景気後退となる可能性があります」
と、世界経済の悪化が今後、日本経済の後退を招くと予測した。(福田和郎)