今後のリスク要因...海外経済減速、物価高、人出不足
ヤフーニュースコメント欄では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主席研究員の小林真一郎氏が、
「コロナ禍の収束に向けた動きを反映して、国内需要を中心に回復の動きが強まったことで、事前に予想されていた小幅プラスを上回る底堅い結果となりました。ようやくアフターコロナ期に向けた第一歩を踏み出すところまで景気は回復してきました。こうした前向きな動きは新年度にも持ち越されており、4~6月期も内需を中心に底堅い伸びが予想されます」
と、評価した。そのうえで、
「具体的には、宿泊・飲食サービスやレジャーなどのサービス消費の増加が期待されるほか、企業の設備投資やインバウンド需要の増加も続く見込みです。さらに自動車の生産制約の解消進展、春闘の賃上げ率アップを反映した賃金の伸び率拡大、夏のボーナス支給額の増加もプラス要因です。
もっとも、(1)海外経済の減速懸念、(2)物価高のマイナスの影響、(3)人手不足による供給制約リスクなど、景気回復を阻害する要因もあり、これら下振れリスクが顕在化すようであれば、成長率が急速に鈍化する懸念があります」
と、今後のリスク要因を挙げてみせた。
同欄では、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏も、
「内訳を見ると、最大の押し上げ要因は控除項目となる輸入の減少ですが、それに次ぐ押し上げ要因は個人消費となっており、やはりコロナからのリオープンの寄与が大きいことが推察されます。また、設備投資も個人消費に次ぐ押し上げ要因となっており、各種設備投資計画調査などに基づけば、経済対策の効果などもあり、DX・GX・経済安全保障関連の設備投資がけん引していることが推察されます」
と、分析。そのうえで、
「ただ一方で、実質GNI(国民総所得)や実質雇用者報酬などの実質所得関連指標はいずれもマイナス成長であり、生産や需要は増えているものの、交易損失の悪化で実質所得は厳しい構図に変わりないという見方もできるでしょう」
と、所得の面から厳しい状況が続いているとした。