半導体回路の形成に使う「金属薄膜材料」に強みも、銅の市況で業績が変動
ENEOSHD傘下のJX金属となった現在でも、銅鉱山開発や銅関連製品の生産を行う。そのほか、半導体回路の形成に使う金属薄膜材料は世界シェア6割を握るとされ、先端素材に強みを持つ。
ENEOSHDの2023年3月期連結決算において、JX金属は売上高の11%程度、営業利益は24%程度を占める。
ENEOSHDとしては、金属事業を生かして成長する道を探ってきた。
だが、銅価格の市況に業績が左右される金属事業を抱えたままでは、主力のエネルギー事業への投資も進めにくいと判断したとみられる。
JX金属を分離して上場するが、持ち分法適用会社への移行を目指す。上場で得た資金は再生可能エネルギーなどの育成・強化に振り向ける方針だ。
野村証券は一連の発表を受けたリポートで「事業の特性に合わせた自律型経営を行おうとしている。資本効率を高めようとしている意志がみられ、印象はポジティブである」と記した。(ジャーナリスト 済田経夫)