酪農業の倒産・休廃業件数14件に増加 過去10年で最多に
また、食卓に欠かせない「牛乳」にも危機が迫っている。
帝国データバンクの調査によると、牛乳やチーズなどの原料となる生乳生産を行う「酪農業」の倒産や休廃業などが、2022年に合計14件発生した。2021年の8件から大幅に増加し、過去10年で過去最多を更新することとなった。この背景について、帝国データバンクは次のように指摘する。
「酪農業では、過去に国産生乳不足に伴うバター不足などが度々発生した。そのため、政府は施設整備や機械導入を最大半額補助する『畜産クラスター事業』を開始するなど生乳増産を要請。酪農家もこれに応える形で乳牛増頭や牛舎拡大など積極的な設備投資を行い、規模を拡大してきた」(帝国データバンク)
「しかし、増産体制が整った直後にコロナ禍が直撃し、業務用や学校給食用の牛乳消費が急減。コスト増分の価格転嫁も難しい状況が続いたなか、ロシアのウクライナ侵攻や円安による輸入コスト増でエサ代が前年から最大1.6倍まで高騰する『ダブルパンチ』に直面した。副収入の仔牛雄牛も外食需要減を背景に競り落とし価格が低迷し、コスト増を補うことも難しかった」(帝国データバンク)
まだまだ日本の食卓を覆う状況には混乱が生じ、家計管理も難しくなりそうだ。