バフェット氏、日本投資は「心地よく」「うれしい驚き」! 海外メディアが報じた「来日時コカ・コーラ会合」の行方(井津川倫子)

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   米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、自身が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイの株主総会で「日本推し」の姿勢を鮮明にした、と報じられています。

   これまで保有していた台湾企業の株を手放す一方で、日本の大手商社株を買い増したことから、「バフェットの関心は台湾より日本だ!」と、海外メディアも大注目!

   「次の投資先」はどの企業なのか、「投資の神様」の発言から、本音を探ってみました。

カリスマ投資家が本音をポロリ? 「日本商社株はばかげた価格で...」

   バフェット氏が会長で最高経営責任者(CEO)を務めるバークシャー社の株主総会は、同氏の出身地でもある米国ネブラスカ州の小さな町・オハマで開催されました。人口わずか50万人足らずの小さな街に、世界中から数万人が押し寄せたことからも、注目度の高さが伝わってきます。

   とりわけ今回は、経営トップのバフェット氏が92歳、副会長のチャーリー・マンガ―氏が99歳と高齢なこともあり、「両氏が登場するのはこれが最後かもしれない」と、多くの株主で会場が埋め尽くされたと報じられています。

   当日は、午前7時(!)の開場前から株主たちが列をなし、開場と同時に良い席を確保しようとアリーナ席を目指す人もいるなか、9時過ぎに姿を現したバフェット氏は、なんと6時間も質問に答え続けたというから驚きです!

   AIの行方や米銀の破綻など、さまざまな質問が投げかけられましたが、日本投資に関する発言には海外メディアも注目していました。

Buffett says more comfortable with investments in Japan than Taiwan
(バフェットは、台湾よりも日本に投資する方が心地よい:ロイター通信
be comfortable with~:~が心地良い、快適だ、好きだ

   「comfortable」は、「心地より」「快適だ」「安心する」といった意味ですが、こうした場面で使うのは新鮮です。

   最近、バークシャー社が、日本の大手商社5社の株式保有率を引き上げる一方、台湾積体電路製造(TSMC)の株式を大量に手放しました。

   バフェット氏は、台湾株を手放した理由を「米中関係の悪化」としています。「日本株に投資する方がより安心できる」といった気持ちを「comfortable」に込めているのでしょう。百戦錬磨のカリスマ投資家の本音が伝わってくる表現です。

   また、バークシャー社が伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の株式保有比率を引き上げていることに投資家の視線が集まっていますが、進捗状況は「サプライズ」だとも語っています。

We have been "more than pleasantly surprised" at their progress
(彼らの進捗ぶりには、うれしい驚き以上のものを感じている)

   米ブルームバーグ通信は、バフェット氏は日本商社株への投資で、すでに45億ドル(約6000億円)を稼いだと報じていましたが(2023年4月時点)、同氏の追加投資が報じられた後はさらに株価が上がっています。

   「pleasantly surprised」(うれしい驚き)という同氏の発言が、つい、「日本投資は、儲かってウハウハだよ」と聞こえてしまうのは、私だけでしょうか。

   実際、バフェット氏は米メディアのインタビューで、2020年に初めて日本商社株に投資した時のことを次のように語っていました。

They were selling at what I thought was a ridiculous price
(それらの企業は、私がバカげた価格だと思うほど安く売られていた:米CNBC)

   数々の発言をつなぎ合わせると、「ridiculous price」(バカげた価格)で日本に投資したら、「pleasantly surprised」(うれしい驚き)以上の成果を得られて「comfortable」(心地よい)、というバフェット氏の本音が透けて見えます。

   日本語に訳されていない「生の声」には、本音があふれていて面白いです。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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