高位(希望的)推計で特殊合計出生率1.64、総人口9549万人 低位(悲観的)推計で特殊合計出生率1.13、総人口8024万人
少子化の影響を大きく受けて「0~14歳」は減少を続け、さらに、「15~64歳」も減少の一途を辿る。だが一方で、「65歳以上」は高齢化の影響で増加するものの、その後は人口減少により、65歳以上も減少に転じるというのが、将来の日本の姿だ。
そこには、15~64歳の労働力人口がひたすら減少していく姿が浮かび上がっている。
総人口に占める年齢3区分の割合は、「0~14歳」は2022年の11.6%から2070年には9.2%に減少し、「15~64歳」は59.4%から52.1%に減少し、「65歳以上」は29.0%から38.7%に増加する。(グラフ2)
そして、少子化高齢化と多死社会が進む中で、日本の総人口は減少を続けるだろう。2022年の1億2497万8000人から2056年には1億人を割り込み、その後も減少と続け、2070年には8700万人にまで減少すると推計されている。
つまり、日本の総人口は今後47年間で3割以上減少するという予測となっている。(グラフ3)
さて、将来人口推計は高位、中位、低位の3パターンで推計されている。
高位は希望的、低位は悲観的と言ったところだろうか。そこで、高位と低位の重要指標も取り上げると、高位推計では2022年に1.25だった特殊合計出生率が2070年には1.64に回復し、出生数は72万5000人で、総人口は9549万人までの減少にとどまると見る。
一方で、低位推計では2070年の特殊合計出生率は1.13まで減少し、出生者数は34万4000人に減少、総人口は8000万人割れ直前の8024万人まで減少すると推計されている。(表)
筆者は、これまでの将来人口推計の多くが下振れし、低位推計に近い結果となっていることから、今回の推計も低位推計の実現性がもっとも高いと考えている。