事業者による無償提供がある場合、どこまで「自主的な意思」で書けるか疑問符
ただ、グレーゾーンは残る。
景表法は、規制の対象を「自己の商品やサービスについて事業者が行う表示」に限っている。このため、事業者が無償で商品を提供し、ネット上で自由に書いてもらうなら、規制対象にならない。事業者が感想文などに関与していない以上、違反にはならないということだが、商品を無償で提供されて、本当に「自由に」書けるのか、疑問符がつくところだ。
もちろん、消費者庁は、自主的な意思に基づく投稿といえるか、さまざまな観点から、客観的に判断すると運用基準の中でも強調している。
事業者と第三者の間に明示的な依頼・指示がなくても、金銭や物品、イベント招待などの対価を受けられる関係にある場合は、自主的な意思と認められず、規制対象になる可能性がある。
具体的に、過去に取引があった場合や、将来の取引など経済的利益を示唆するなどの場合は、自由意思とはみなされないだろう。無償提供が試食品なら問題ないとしても、たとえば高額な家電製品などは対価とみなされるかもしれない。