ステマ規制、23年10月から始まる だが、グレーゾーンは残り、抜け道の指摘も

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   広告であることを隠して一般の口コミを装い、インターネットや交流サイト(SNS)で商品などを宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」が、2023年10月から法律で規制されることになった。

   事業者(広告主)が対象だ。違反すれば行政処分(再発防止を求める措置命令)の対象とし、悪質な場合は刑事罰が科される可能性もある。 これまで規制する手立てがなかった日本だが、「ステマ天国」から脱却なるか。

  • ステルスマーケティングが23年10月から法律で規制へ(写真はイメージ)
    ステルスマーケティングが23年10月から法律で規制へ(写真はイメージ)
  • ステルスマーケティングが23年10月から法律で規制へ(写真はイメージ)

事業者が第三者に対価を支払い、商品やサービスを宣伝してもらうステマ 数年前から問題視

   ステルスマーケティングは、事業者がSNS上で影響力を持つ「インフルエンサー」や著名人といった第三者に金銭などの対価を支払い、個人の感想であるかのように装い商品やサービスを宣伝してもらう行為を指す。敵のレーダーに察知されないステルス戦闘機から名付けられた。

   2012年に飲食店のランキングサイト「食べログ」で、業者が好意的な投稿をする見返りに店側から報酬を得ていたことが発覚。22年には動画投稿アプリTikTok(ティックトック)の日本の運営会社が、インフルエンサーに報酬を支払い、特定の動画を一般投稿のように紹介させていたとして謝罪に追い込まれたこともある。

   消費者は広告だと認識すれば、良いことしか言わない、あるいは多少の誇張が含まれていると考えるなど、ある程度の警戒心を持って商品選択をするが、ステマはこうした判断をゆがめる恐れがあるとして問題視されてきた。消費者庁の有識者検討会が2022年12月、規制の必要性を提言した。

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