切迫感増す「人口減少」問題...50年後には31%減少、8000万人台推計の衝撃(鷲尾香一)

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2026年以降、子どもの半数以上がひとりっ子になる予測

   さて、出生数を少し違った角度からみてみたい。それは夫婦における子どもの数だ。

   2022年の出生数は78万7000人だが、このうち第1子は36万8000人、第2子は30万1000人、第3子は11万2000人となっている。割合は、第1子46.8%、第2子36.0%、第3子13.1%となる。

   第1子は2028年には39万2000人にまで増加するが、その後、2051年には30万人を割り込み、2070年には25万1000人まで減少する。

   これに対して、第2子は2023年の29万3000人がピークで、2046年に25万人、2060年に20万人を割り込み、2070年には18万5000人にまで減少する。

   そして、第3子は2022年にピークを過ぎ、2025年に10万人を割り込み、2070年には5万2000人にまで減少すると予測されている。(グラフ2)

   これを割合でみると、第1子は2023年の44.4%から、その後は総じて50%台で推移、第2子は2023年の38.5%から、その後は36%後半から37%前半で推移し、第3子は2023年の13.3%から、その後は10%台前半で推移する。

   つまり、2026年から日本では、子どもの半数以上がひとりっ子になると見られている。

   少子化は生涯独身者の増加や晩婚化により、子どもを産む女性が減少するだけではなく、1人の女性が生む子どもの数が1人に近づくことが予測されている。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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