転職のポイントは豊富な求人情報にあり エージェント利用は4人に1人、年収アップは実現したか?

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   テレビをつければ目にしない日はない転職エージェントのCM。ハイクラス転職のリクルートマダイレクトスカウトやビズリーチ、IT転職のGEEKLY、マイナビ転職にdoda(パーソルキャリア)......と花盛りだ。

   キャリアや転職に特化したウェブメディアのユニークキャリア(東京都豊島区)が、5125人の転職者に「転職の際に転職エージェントを利用しましたか?」と聞いたところ、「はい」と答えた人は25%で、4人に1人が利用していたことがわかった。「いいえ」は75%だった。2023年5月1日の発表

   さらに同社は、転職エージェントを利用して転職した男女1223人を対象に、「年収が上がったか」聞いたところ、「上がった」と答えた人は37.5%にとどまった。

転職エージェント大手、テレビCMが奏功!?

   調査によると、転職エージェントを利用して転職した男女1223人に、利用した理由を聞いたところ、「求人数が多そうだから」と答えた人が、全体の69.8%にあたる855人にのぼったことがわかった。

   ユニークキャリアは、

「求人数が多いことで転職先の選択肢が広がることに、メリットを感じている人が多いといえる。また、転職エージェントでしか取扱いのない求人情報を求めて、利用する人が多いことが推測できる」

とコメントしている。

   次いで、「評判・口コミがよかったから」の435人、「広告などで認知していたから」が318人で続いた。【図1参照】

   2位の「評判・口コミが良かったから」との理由からは、転職エージェントは無料で使えるものの、商品を購入する時のように「第三者の評価」を重視する傾向にあることがうかがえる。「信頼できるエージェントを利用したい」と考える人が多いことがわかる。

   また、3位の「広告などで認知していたから」は、転職エージェント大手はテレビCMやネット広告での露出が多く、「転職しようと思った時に頭に浮かびやすいことが考えられる」(ユニークキャリア)とみている。

図1 「求人数が多そうだから」と答えた人は855人だった(ユニークキャリア調べ)
図1 「求人数が多そうだから」と答えた人は855人だった(ユニークキャリア調べ)

   一方、転職した人の中で、異業種・異職種に転職しましたか」(有効回答者数1223人)の問いに、「はい」と答えた人は46.6%と、ほぼ半数。「いいえ」は53.4%だった。

   異業種・異職種に転職した人で、転職エージェントを利用した人を対象に、利用した理由を聞いたところ、「求人数が多いから」や「口コミが多くて情報収集しやすいから」、「的確なアドバイスがもらえるから・個別相談しやすいから」といった理由があがった。「自分で仕事を探すのが大変だから」との理由もあった。

   全体の回答【図1参照】と同様に、転職エージェントが所有する求人情報を求めている人が多いが、異業種・異職種ほど自身が持っている情報が少ないことが考えられ、職場の雰囲気や実態を知るためには実際に経験した人の口コミが有効と考えている様子がうかがえる。

   また、転職エージェントから的確なアドバイスがもらえたり、個別に相談しやすかったりするメリットが見込めるようだ。

転職エージェントの利用で年収アップ! 100万円以上もあるけれど...

   転職するからには、年収アップは実現したいもの。調査によると、転職エージェントを利用して転職した人の中で、実際に「年収が上がった」人は37.5%で、なかには100万円以上アップした人も少なくないという。

   ただ、一方で「年収が下がった」人は17.5%、「変わらなかった」人は44.7%と、なかなか厳しい結果となった人のほうが多かった。【図2参照】

図2 転職しても年収が「変わらなかった」人は44.7%を占めた(ユニークキャリア調べ)
図2 転職しても年収が「変わらなかった」人は44.7%を占めた(ユニークキャリア調べ)

   また、年収が上がった人を対象に、年収の増加幅を聞いたところ、最も多かったのは「0~50万円アップ」で180人。次いで、「51~100万円アップ」の152人、「101~150万円アップ」は78人だった。

   年収が上がった人の半数以上が50万円以上の増加幅となっているが、100万円以上年収が上がった人も少なくないことがわかった。

   ユニークキャリアは、

「現職のスキルを活かした転職はもちろん、異業種への転職でも年収が上がるパターンが考えられる」

とみている。

   さらに、転職エージェントを利用した1175人を対象に、エージェントの利用数を聞いたところ、「2社がちょうど良い」と答えた人が43.9%にのぼった。「1社で十分」と答えた人が30.3%で2位。次いで、「3社がちょうど良い」が24.5%だった。【図3参照】

   「『たくさん利用するのは大変だが、1社だと不安』という考えや、複数利用することで、転職エージェントごとにもつ強みを活かすことができる」(ユニークキャリア)という考え方がある一方、利用するエージェントは少なくてよいと考える人が多いこともわかった。

図3 利用するエージェントは少なくてよいと考える人は多い(ユニークキャリア調べ)
図3 利用するエージェントは少なくてよいと考える人は多い(ユニークキャリア調べ)

転職エージェントとの「ちょうど良い」連絡頻度はどのくらい?

   調査では、転職活動をした1175人に「ちょうど良いと感じる期間」を聞いたところ、36.9%の人が「2~3か月未満」で最も多かった。次いで、「1~2か月未満」が27.2%にのぼった。比較的短期間で転職活動をする人が多い傾向にあるようだ。

   「3~4か月未満」と答えた人は13.6%。「1か月未満」11.1%、「4~5か月未満」10.0%と続いた。「その他」は1.2%だった。

   さらに、転職期間が1か月未満の人にしぼり、「転職を急いで良かったか」を聞いたところ、48.2%が「良かった」、34.5%が「どちらかというと良かった」と回答。満足する人が8割を超える一方、「どちらかというと後悔した人」が10.8%、「後悔した人」が6.5%だった。

   後悔した人を対象に、その理由を聞くと、最も多かったのは、「入社してみると思っていたのと雰囲気が違う職場だったから」(10人)。次いで、「業務時間に関する条件が、聞いていたものと実際のものに乖離があったから(残業が多いなど)」(5人)「転職してから、自分がやりたい仕事ではないと感じたから」(5人)となった。

   いずれも、転職前と転職後で思っていた職場と違っていたことが主な原因となっている。

   転職エージェントからの連絡頻度についても聞いた。調査によると、進捗状況の確認などの連絡は「数日に1回」がちょうど良いと感じる人が最も多く、36.4%にのぼった。次いで、「1日に1回」の22.3%、「1週間に1回」の20.3%が続いた。【図4参照】

   ユニークキャリアは、

「転職エージェントに対して、電話がしつこいと感じる人がいることがわかっている。また、日々入れ替わる情報を得るために毎日連絡を取りたいという人も多い半面、反対にゆっくり転職先を探したい場合は『1週間に1回』の連絡でも十分と考える人もいると推測できる。転職エージェントに求めるサポートによって、ちょうど良いと感じる連絡の頻度は変わってくることが考えられる」

と推察している。

図4 転職エージェントからの連絡は「数日に1回」がちょうど良いと感じる人が36.4%(ユニークキャリア調べ)
図4 転職エージェントからの連絡は「数日に1回」がちょうど良いと感じる人が36.4%(ユニークキャリア調べ)

なお、「転職エージェントを利用して転職した人の割合に関する調査」は、実際に転職エージェントを利用した男女1223人を対象に、2023年4月3日~13日にインターネットで実施した。

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