【鉄道】通勤・通学の利用、行動変容からコロナ禍前と同じとはいかず 動力費の高騰も負担に
JR本州3社も、2023年3月期連結決算は順調だ。JR東日本は売上高が2兆4055億円(前期比21.6%増)、営業損益が1406億円の黒字(前期は1539億円の赤字)、純損益が992億円の黒字(前期は949億円の赤字)。
JR東海は売上高が1兆4002億円(前期比49.7%増)、営業利益が3745億円(前期の220倍)、純損益が2194億円の黒字(前期は519億円の赤字)。
JR西日本は売上高が1兆3955億円(前期比35.3%増)、営業損益が839億円の黒字(前期は1190億円の赤字)、純損益が885億円の黒字(前期は1131億円の赤字)。
2024年3月期の売上高、営業利益、純利益の予想は、それぞれ、JR東日本が12%増の2兆6960億円、92%増の2700億円、38%増の1370億円、JR東海が12%増の1兆5660億円、15%増の4300億円、14%増の2500億円、JR西が8%増の1兆5120億円、37%増の1150億円、25%減の665億円となっている。
足元も好調だ。ゴールデンウィークの新幹線は、予約段階でコロナ禍前の9割前後に回復していたという。
ただ、課題もある。「通勤・通学の利用は、行動変容によって(コロナ前より)10%ほど減る前提」(長谷川一明JR西社長)というように、コロナ禍前に完全に戻らない部分は残りそうだ。
電気代など動力費の高騰も負担だ。JR東日本の場合、23年3月期の動力費は前期比49%増の913億円と、コロナ前に比べて4割ほど多くなり、24年3月期も1090億円に膨らむと見込む。
足元も、ひとまず順調だ。JR6社の5類移行直前のゴールデンウィークの利用実績(4月28日~5月7日)は、新幹線と在来線特急などの主要線区を利用した人が前年比1.32倍の1100万1000人となった。コロナ禍前の2018年比で0.94倍にまで回復している。
航空も、ANAHDとJALの2社のゴールデンウィーク期間(4月29日~5月7日)の利用実績も、国内線は前年比1.2倍の279万3000人と、18年比9割を超えた。ただ、国際線は前年比では2.9倍の38万9000人になったものの、18年比ではまだ6割台にとどまっている。