営業の最終ステップ「クロージング」の前に...成約させるには「値引き」してもいいものなのか?(大関暁夫)

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   今回は、営業の5ステップにおける第4ステップ「セールス(プレゼンテーション)」から最終ステップ「クロージング」へ移行する際に、いかにして成約確率を高めるかという点についてお話します。

なぜ「セールス」から、間髪を入れずに「クロージング」に移るべきなのか?

   「クロージング」とは、「セールス」を受けて、提案に対する応諾を相手から引き出すステップのことです。このステップの存在をしっかり意識しているか否かによって、成約の確率は大きく異なると、最初に理解してください。

   すなわち下手な営業の場合、「セールス」はしたものの、成約に向けた「クロージング」をすることなく相手の返事を待つ、ということになりがちなのです。これではせっかく工夫した「セールス」もしっぱなし状態であり、相手に下駄を預けすぎているとも言えるのです。

   ならば、あるべき「クロージング」は、極力「セールス」と一体でおこない、「セールス」の場から間髪を入れずに「クロージング」に移ることが大切です。言い換えると、「セールス」と「クロージング」はセットで実行することが好ましい、ということになります。

   ようするに、「売り込み」をして後日の先方からの回答を待つのではなく、「売り込み」終了後に「応諾を迫る」というステップを続けておこなうのがベターなのです。

   もっとも、「応諾を迫る」ためには、単純に応諾を懇願するのでは意味がありません。応諾を促すような仕掛けや工夫を、用意することが必要です。

   応諾を促すような仕掛けや工夫とは、たとえばデモ機の貸し出しであるとか、原価での主要部分設計図面の作成であるとか、同じく原価での具体的な効果測定であるとか、相手に必要以上の負担を強いずに、より自社製品や自社サービスを利用するメリットを実感してもらえるようなオプション提案を用意するのです。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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