「利下げのスタート」と市場が喜ぶ米消費者物価の読み方 エコノミストが指摘「もう、過去の3大ショック時並みの景気後退が始まっている」...

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金融環境は、過去3回の景気後退時並みに悪化している

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ドル紙幣

   そこで、木内氏は、金融環境の実態を明らかにするために、独自に銀行の企業向け融資基準と、企業の資金需要の判断を合成した指数(資金需要判断-融資基準判断)を作成した。そして、実質GDP成長率と重ね合わせたグラフが【図表2】だ。

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(図表2)金融環境の合成指数と実質GDP成長率(野村総合研究所の作成)

   これを見ると、合成指数は2000年のネットバブル崩壊時、2008年のリーマンショック時、2020年のコロナショック時のそれぞれ最低水準と並ぶものになっていることがわかる。木内氏はこう結んでいる。

「企業向け融資を巡る金融環境の悪化は、すでに過去の景気後退時に匹敵するものとなっており、先行き米国経済が後退局面に陥る蓋然性は相応にあるものと考えられる」
「通常であれば、このような大幅な景気減速や金融情勢の悪化に対して、FRBが大幅な金融緩和を実施し、事態が好転するきっかけとなってきた。しかし今回は、歴史的な物価高騰を受けてFRBは、物価高への警戒を緩めず、積極的な金融緩和には直ぐには転じない可能性が高い。その結果、経済と金融情勢の悪化は長期化しやすいだろう」
「そうした中で、中堅銀行の破綻など銀行不安や金融市場の混乱も深まりやすいのではないか。米国経済の減速がより明らかになってから、事態は急速に悪化しやすい点に留意しておきたい」

(福田和郎)

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