大人が学ばないニッポン、「リスキリング」はもはや経営課題

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社外学習・自己啓発、何もやってない人が5割

   そこで浮上したのが、「世界で最も学ばない日本人」の実態だ。

   社外学習・自己啓発を「何もやっていない」人の割合は、日本は52.6%とダントツに高い。ちなみに中国は20.6%、米国15.7%、インド3.2%(同研究所調べ)。小林さんは、「日本人は、学ぶ意欲があるのに何かの障害があるわけでもなく、『学ばないぞ』と主体的に選んでいるわけでもなく、『なんとなく』学んでいない」と説明する。

   それは、「学ばせたくない」企業と「学びたくない」国民の共犯関係だとも。「研修は新人が受けるもの」であり、多くの従業員にとっては関係のないもの。そもそも人材投資額が極めて低い日本企業が、その投資先を正規雇用の「新人」と「管理職」にばかり振り分けたからだという。

   小林さんは「働かないおじさん」問題について、研究し、解決策を提案してきたが、当事者たちの「他人事」感を問題だとしている。

   実際に日本の現場で目にするのは、キャリアの主導権を企業に握られつつも、「なんだかんだ、そこそこ楽しく」働いている多くの会社員の姿だという。

   「学びたくもないし、転職もしたくないし、勤め続けたくもないし、企業とも交渉したくもない」という中途半端な状態こそが、世界一学ばない社員を生み続けるというのだ。

   続く章では、「変わらなさ」の根本原因を探り、変化を抑制するメカニズムを論じている。

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