1泊25万円の高級ホテルも登場
「週刊東洋経済」(2023年5月13日号)の特集は、「押し寄せるインバウンド! ホテル 富裕層争奪戦」。「爆買い」から「高級体験」へと、訪日外国人の志向が変わり、高級ホテルのオープンラッシュが続く。その最新事情とは。
高級ホテル戦争は新次元に突入したという。富裕外国人の受け皿として1泊25万円の高級ホテルも登場した。これらは世界の最高級ホテルに匹敵するほどのラグジュアリーホテルだという。
令和の御三家といわれるのが、ブルガリホテル東京(中央区、2023年4月開業)、ドーチェスター・コレクション(千代田区、2028年開業予定)、ジャヌ東京(港区、23年秋開業予定)だ。
いずれも客室が100室前後のブティックホテル(テーマ性のある高級ホテル)であること、プールやスパなどのウェルネス施設が充実しているのが特徴だ。
このほかにも客室単価が3万円以上の高級ホテルが次々に日本へ進出する。激戦区の東京では28年までに14軒の高級ホテルが開業を予定しているが、そのうち12軒が外資系だ。
その代表として、ブルガリホテルの全貌に迫っている。
三井不動産が開発した東京駅前の複合ビル「東京ミッドタウン八重洲」に4月4日にオープンした。ミッドタウン八重洲の40~45階に位置し、全98室のうち23室がスイートルーム。
なかでも、ブランド名を冠した「ブルガリ スイート」は、国内最大級の400平方メートルの広さを持つ。3つのリビングルーム、キッチン、ジムを完備。宿泊費は1泊400万円超とされる。
「スーペリアルルーム」(51平方メートル)でも5月の連休明けから9月下旬まで、31万円台(大人2名1泊)。超がつく強気の料金設定だと見ている。
◆2万円以下で泊まれる「プチぜいたくホテル」7選
追い込まれる国内ホテルにも挽回策があるという。
帝国ホテルが26年に開業する京都の新拠点だ。30年ぶりの新規出店となる。祇園にある国の登録有形文化財「弥栄会館」を改修しホテルとする。客室は60室のみ。歴史的建造物に泊まれる体験を提供する、「スモールラグジュアリーホテル」を目指す。
2万円以下で泊まれる「プチぜいたくホテル」7選も参考になるだろう。
朝食がおいしいのは「センチュリーマリーナ函館」。東京で朝食ビュッフェが好評なのは、豊洲市場近くに開業した「ラビスタ東京ベイ」。温泉があるのは、沖縄・那覇空港から車で40分の「ユインチホテル南城」。愛媛・松山市の道後温泉に開業した「道後hakuro」は1泊1万円前後なので、出張者の利用も多いという。
サウナルームで評判なのが、東京スカイツリーのすぐ前にある「リッチモンドホテル プレミア東京スコーレ」。それから、鉄道好きにはJR名古屋駅に直結する「名古屋JRゲートタワーホテル」がお勧めだ。
リゾート地では、沖縄・石垣島の「コンフォートホテル石垣島」が、リゾートホテルのような雰囲気でありながら価格はリーズナブルだ。
インバウンド需要の増加で、宿泊代金は上昇傾向にあるが、プチぜいたくできるホテルはまだまだあるという。