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話題沸騰、ショート動画はどこが人気? 3位TikTok、2位インスタリール、では1位は? 動画アプリで商品購入、男性のほうが女性より多いワケ

   スマホに触っているうちに、ついつい見てしまうショート動画。見終わったらすぐに次の動画が再生されるため、やめられない人もいるのでは...。

   そんなショート動画はどこのサービスが人気なのか。モバイル専門の市場調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が2023年4月25日、「ショート動画とコマースに関する調査」を発表した。

   ショート動画を見て商品を購入している人が3割以上に達し、女性よりも男性の利用者が多いことが分かった。

  • つい楽しくて見てしまうショート動画(写真はイメージ)
    つい楽しくて見てしまうショート動画(写真はイメージ)
  • つい楽しくて見てしまうショート動画(写真はイメージ)

マスク氏や豊田章男氏も使いこなす

   ショート動画とは、60秒以下の短い動画のこと。一般の人でも15秒~30秒といった短時間の動画を作ることができるため、気軽に投稿やシェアが可能になった。最近、ビジネス分野でも注目を集めており、企業やブランドが商品やサービスをアピールするために利用している。

   世界的な起業家イーロン・マスク氏や、豊田章男・トヨタ自動車会長らが使いこなしていることでも知られる。一方、短時間で情報収集ができるため、データ漏洩を不安視して、米国政府が中国に本社がある動画投稿アプリ「TikTok」(ティックトック)の規制に乗り出したことでも話題を集めている。

   MMD研究所の調査は18~69歳の男女7000人が対象だ。まず、ショート動画を利用しているかどうか、また、どのサービスを利用しているかどうかを聞いた。

   すると、「視聴のみしている」「投稿のみしている」「視聴も投稿もしている」の3つを合わせて利用者が最も多かったのは「YouTube ショート」(41.5%)で、次いで「Instagram Reels(インスタグラムリール)」(26.0%)、「TikTok」(ティックトック)(23.4%)、「LINE VOOM(ラインブーム)」(11.7%)、「Likee(ライキー)」(8.6%)の順となった【図表1】。

(図表1)ショート動画の利用状況(MMD研究所の作成)
(図表1)ショート動画の利用状況(MMD研究所の作成)

   ショート動画を利用している人に、いつ視聴しているかを聞くと(複数回答可)、「夜寝る前」(48.4%)が最も多かった。次いで「休憩時間」(44.7%)、「休日」(34.6%)、「家事育児の合間」(21.3%)、「通勤・通学」(11.4%)などが上位に並んだ【図表2】。ちょっとした自由時間、すきま時間の楽しみとして見ている人が多いようだ。

(図表2)ショート動画を見るタイミング(MMD研究所の作成)
(図表2)ショート動画を見るタイミング(MMD研究所の作成)

動画の人気ジャンル、1位「ペット・動物」、2位「音楽」

   さて、ショート動画で好きなジャンルは何だろうか。利用者に聞くと(複数回答可)、トップは「ペット・動物」(32.5%)で、2位「音楽」(31.5%)、3位「料理」(29.5%)となったが、男性と女性でははっきりと好みが分かれることがわかった【図表3】。

(図表3)ショート動画の好きなジャンル(MMD研究所の作成)
(図表3)ショート動画の好きなジャンル(MMD研究所の作成)

   男性では、トップは「スポーツ」(32.2%)で、2位「音楽」(30.5%)、3位「ニュース」(26.9%)となった。女性ではトップは「ペット・動物」(39.6%)、2位「料理」(38.7%)、3位「有名人・タレント」(33.7%)の順となった【再び図表3】。

   現在、ショート動画は企業のPRや電子商取引に盛んに使われているが、実際に動画を見て商品を購入した経験がある人はどのくらいいるのだろうか。「購入したことがある」と答えた人は全体で32.2%。男性(34.8%)のほうが女性(29.4%)より5.4ポイント多かった【図表4】。

(図表4)ショート動画を見て商品を購入した経験(MMD研究所の作成)
(図表4)ショート動画を見て商品を購入した経験(MMD研究所の作成)

   購入した商品を聞くと(複数回答可)、全体では「食品」(30.0%)が最も多く、次いで「雑貨(靴、バッグ、アクセサリー)」(23.7%)、「化粧品」(23.2%)と続く【図表5】。

(図表5)ショート動画を見て購入した商品(MMD研究所の作成)
(図表5)ショート動画を見て購入した商品(MMD研究所の作成)

   こちらは男女の違いはあまりなかった。男性ではトップが「食品」(30.2%)、2位「雑貨(靴、バッグ、アクセサリー)」(24.4%)、3位「日用品・文房具」(23.7%)。女性では「化粧品」(36.6%)とダントツに多く、2位「食品」(29.6%)、3位「雑貨(靴、バッグ、アクセサリー)」(22.7%)となった。

   男性では「キッチン用品」(20.4%)が4位に入ったのが目を引くが、女性では「キッチン用品」はベスト5位には入らなかった【再び図表5】。これが「イマドキ風」なのだろうか。

   調査は2023年3月17日~20日、全国の18歳~69歳の男女7000人を対象にインターネットでアンケートを行なった。(福田和郎)