セブン&アイHDもスーパー再編へ 物価高、デジタル投資の負担は、業界共通の課題
イオンのライバルであるセブン&アイHDも、J-CAST 会社ウォッチが「セブン&アイHD、ヨーカドー店舗2割削減&『祖業』衣料品は『完全撤退』 だが、必ずしも『スーパー事業』の見切りではない理由」(2023年03月17日)で報じたように、スーパーの再編に動く。
井阪隆一社長は23年4月28日の日本経済新聞朝刊で、総合スーパー「イトーヨーカドー」を運営するイトーヨーカ堂と、食品スーパー「ヨークマート」などを運営するヨークを、2023年内にも統合するとの方針を示している。
セブンの動きの背景には、物言う株主である外国ファンドが「コンビニ特化」を求めていることに対抗するねらいもある。だが、PB、デジタルなどスーパー自体が抱えるイオンと共通する課題が大きいのも確か。こうした全国的な規模の追求が、今後のスーパー業界で主流になるのは間違いないだろう。
同時に、文字通りの地域密着で固定客層をがっちりつかむオオゼキ(首都圏に42店舗)、「エブリデー・ロープライス」の低価格路線を進めるオーケー(同142店舗)なども、それぞれの強みを生かして業績を伸ばしている。
こうした、全国チェーンとは一線を画しているスーパーにとって、物価高やデジタル投資が負担になっているのは同じ。独自の道を行くのか、大手に吸い寄せられていくのか、今後の動向が注目される。(ジャーナリスト 済田経夫)