5月のゴールデンウィークの連休も終わり、週明けの仕事の始まりが憂鬱な人も少なくなかったのでは? ビジネスパーソンにとっては、体が資本。なんといっても「睡眠」が大事だけれど、きちんと睡眠をとれていますか?
ガス設備メーカーのリンナイ(愛知県名古屋市)がおこなった「疲労と睡眠に関する意識調査」(2023年4月28日発表)によると、なんと全国のビジネスパーソンの約7割が睡眠不足を感じることがある、と回答している。とくに30代では、8割強の人が日中に眠気を感じているという結果も出た。
連休も明けたので、これを機に、ぜひ生活サイクルを正していきましょう!
30代「日中の眠気」およそ5割の人が実感 「気持ちよく起きられない」「集中力が続かない」も数値は高め
この調査は、2023年4月15日から16日にかけて、20歳から69歳までの全国の男女で、在宅勤務が選択可能なフルタイム正社員の1000人を対象にインターネットで実施した。
はじめに、調査対象者であるフルタイム勤務の会社員に睡眠不足の有無を聞いた。結果をみると「睡眠不足を感じることがありますか」に対して「よくある」が「28%」、「ときどきある」が「46%」。一方で、「あまりない」が「19%」、「まったくない」が「8%」。「よくある」と「ときどきある」を合わせた睡眠不足を感じる人は「74%」となった。
また、年代別にみると、30代で睡眠不足を感じている人の割合が多い。睡眠不足を感じることが「よくある」が「39%」、「ときどきある」が「44%」で合わせて「83%」という結果が出た。
続いて、睡眠不足に関係すると考えられる症状を聞いたところ、「日中に眠気を催す」が最多で「45%」になった。次いで「朝気持ちよく起きられない」(27%)、「集中力や気力が続かない」(25%)、「あくびがよく出る」(16%)の並びになった。
特に30代は全体的に平均より数値が高く、「日中に眠気を催す」は約5割の人が感じている結果になった。
今回の調査を監修した睡眠専門家の梶本修身氏は
「『日中に眠気を催す』、『気持ちよく起きれない』は、睡眠不足である証拠。『集中力や気力が続かない』のも、睡眠不足による長期疲労にみられる症状です。 特に、30代は、職場では責任ある仕事を任されるようになり、家庭では子育てに忙しくなることが多い年代。フィジカルな要因だけでなくメンタル面でもストレスを抱えやすいため、睡眠時間が短くなるだけでなく睡眠の質も悪化しやすい傾向にあるので、日ごろから慢性の睡眠不足に陥らないよう注意が必要です」
とコメントを寄せている。
「睡眠チェックリスト」項目多い人は、生活習慣要注意!
梶本氏監修の睡眠チェックリストを見てみると、以下のリストのチェックが6個以上は「睡眠不規則型」で「睡眠の質が低下しています。今すぐ見直しを!」とのコメントしている。
そして、3から5個の場合は、睡眠の質に注意が必要な「睡眠見直し型」。生活習慣を見直しが必要。2個以下は「睡眠整う型」であり「睡眠の質が良い睡眠優等生」としている。
あなたは何個チェックが付くだろうか?
・平日の睡眠は6時間未満
・目覚ましは大音量
・午前中に眠くなる
・休日は朝遅くまで眠る
・眠る直前までスマホを見ている
・常夜灯をつけたまま眠る
・ふとんに入って5分以内に眠れる
・夜中に目が覚める
・エアコンは起床前に切る
・靴下をはいて眠る
さて、今回の調査でも、睡眠チェックを調査対象者にやってもらったところ、最多の項目は「眠る直前までスマホを見ている」で「64%」となった。次いで、「平日の睡眠は6時間未満」が「50%」、「夜中に目が覚める」が「48%」、「休日は朝遅くまで眠る」が「44%」、「エアコンは起床前に切る」が「41%」という結果になった。
年代別では20代の「79%」がこの項目にチェックをつけた。一方で60代に多いのが「ふとんに入って5分以内に眠れる」(49%)だった。
一方で、「睡眠の型」については、チェック数が2個以下の「睡眠整う型」は「26%」、6個以上の「睡眠不規則型」は「18%」で、3個から5個の「睡眠見直し型」は「55%」だった。
年代別では、「睡眠不規則型」は20代が「21%」で最も多く、続いて30代が「20%」と、年齢が若いほど睡眠に課題を抱えている可能性が高い実態が明らかになった。
梶本氏は
「上記のチェック項目は、いずれも睡眠の質を落とす要因あるいは睡眠の質が悪い証拠を示しています。3個以上当てはまる方は、ご自身の睡眠環境や習慣を見直すことをおすすめします。
特に6個以上当てはまる方は、すでに睡眠の質の悪化が心身に悪影響を来たしている可能性があるので早急の対策が必要です。」
とコメント。
また、梶本氏は次のように調査の総括をしている。
「睡眠負債は、休日に『寝だめ』をしたところでまとめて返済することはできません。睡眠負債を返済するには、睡眠時間を毎日少しずつ増やすことが大切です。睡眠時間は、最低6時間は確保しましょう。どうしても、睡眠不足や疲れが溜まっているときは、休日に遅起きするのではなく、休日前夜に早寝するようにしましょう。休日の遅起きは、眠気を催す睡眠リズムを乱します」
「30代は、仕事や子育てに忙しくなることが多い年代。身体的あるいは物理的要因だけでなく精神面でもストレスを抱えやすいため、睡眠時間が短くなるだけでなく睡眠の質も悪化しやすい傾向にあります。30歳になれば無理は禁物。日ごろから慢性の睡眠不足に陥らないよう注意が必要です」
「長期の休暇明けは、誰しもが通勤によるストレスや仕事のペースがつかみにくく、疲労を起こしやすいものです。
さらに、休暇中は起床時刻が遅くなりやすく、サーカディアンリズムも乱れがちに。
連休が明ける2日前から生活リズムを通常の時刻に戻し、自宅で休暇を過ごした方は散歩など適度な運動を取り入れるのが良いでしょう」