大学での研究成果はどれくらい「収入」に結びつくのか? 特許件数、特許権収入、知的財産権収入が多い大学ランキング(鷲尾香一)

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知的財産権等の収入1位は「京大」9億5732万円...2位「東大」、3位「順天堂」

   それでは、知的財産権等の収入ではどうか。

   1位は東京大学を抑えて、京都大学が9億5732万円でトップ。2位には7億2343万円で東京大学が入っている。3位には私立大学の順天堂大学が6億3181万円で食い込んだ。10億円を超えているのは、12位の名古屋工業大学の10億130万円までだ。(表4)

   上位20位では14校が国立大学で、私立大学は順天堂大学のほか、11位に関東学院大学、13位に慶應義塾大学、14位に東京理科大学、17位に日本大学の5校が入り、公立大学では15位に札幌医科大学が入っている。

   特許等件数は東京大学が1位だったが、特許権等の収入、研究者1人当たりの特許権等の収入、知的財産権等の収入では京都大学が1位となった。また、研究者1人当たりの特許権等の収入では、公立大学や私立大学、大学共同利用機関法人が上位20位に食い込んでいる。

   3回までは、「大学ファクトブック2023」を使い、個別大学の研究状況についてランキングを取り上げた。最終回となる4回目では文部科学省の「研究者・教員等の雇用状況等に関する調査」から大学研究者の雇用状況を取り上げる。【第4回につづく】

◆鷲尾香一とさぐる混沌日本の歩き方~「日本の大学」シリーズ
【1】民間企業からの研究資金、どの大学が多く受けているか? トップの大学は167億円(鷲尾香一)
【2】民間企業から大学への研究資金...共同研究1件当たり&研究者1人当たり換算では「東大」が1位ではなかった(鷲尾香一)
【3】大学での研究成果はどれくらい「収入」に結びつくのか? 特許件数、特許権収入、知的財産権収入が多い大学ランキング(鷲尾香一)
【4】「働き方」に不安抱える大学の研究者...契約状況は「無期」と「有期」、どちらが多いのか?(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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