大学の研究状況を「大学ファクトブック2023」などから見ていく連載の3回目は、大学での研究がどの程度の成果を上げ、どの程度の収入に結び付いているかをみるため、特許権件数や特許権収入などについて取り上げる。
特許権件数1位「東大」4212件が突出 1000件以上は4校のみ
1回目で取り上げた民間企業との共同研究の件数や研究資金の受入額などでは、すべての項目で東京大学が1位を独占した。
2回目の共同研究1件当たりや研究者1人当たりの研究費受入額では、東京大学以外の大学が1位となった。
では、大学の研究による特許権件数のランキングはどうか。
1位は東京大学が4212件と突出した成果をあげている。2位の京都大学が2165件なので、東京大学は2倍の特許権を持っていることになる。(表1)
1000件以上の特許を持っている大学は4位の北海道大学の1250件までで、それ以下は1000件未満となり、20位の金沢大学になると件数は222件にまで減少する。
上位8位までは国立大学が続くが、9位には関東学院大学の640件、10位には慶應義塾大学の555件と私立大学2校が入っている。上位20位まででは18位に早稲田大学は入り、国立大学17校、私立大学3校という結果になっている。