メンバーから信頼を得るリーダーが、絶対にしないことは?【尾藤克之のオススメ】

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覚悟を決めると、とてつもない力を発揮する

   なぜ、ブレない意思が重要か。それは、神田さんの経験により導き出されたものだった。

「いまの部署に異動になったとき、そのミッションの重さに、不安と責任が私の心にプレッシャーとなって重くのしかかっていました。それは『絶対に結果を出さなければならない』という責任感からくるものでした。最初は、各方面からの反対にあい、そのことによってなおさら気持ちが焦り、気分も落ち込む日々が続きました」(神田氏)
「あるとき、『なぜ自分はこんなに部長としての責任をプレッシャーとして感じるのだろうか』と冷静に考えてみました。そして、『失敗した時の自分の立場がどうなるのか』ということを恐れていたことに気がついたのです。人間の脳はネガティブ思考の考え方をすると言われていますが、私もその流れにどっぷり漬かっていました」(同)

   ネガティブ思考は誰にでもあるものなので、その思考自体を気にすることはない。しかし、思考によって行動が阻害される危険性がある。

「どうなるか分からない結果をくよくよ考えるよりも、『いまやるべきこと・やらなければならないこと』に真摯に向き合うことがきわめて生産的だと考えました。また、(著者の神田さんが所属していた)サントリーグループの社風は、一生懸命にチャレンジして失敗する社員の方が、現状に甘んじて与えられたことだけをこなしている社員よりも評価される会社です」(神田氏)
「業績が上がらず失敗に終わったとしても、また次回の機会に、精いっぱい頑張ればいいだけじゃないか? そう考えているうちに、なんだか失敗することばかりを恐れてプレッシャーを感じている自分が小さく思えてきたのです」(同)

   そう思った瞬間、ある「覚悟」ができたそうだ。覚悟を決めると、人間はとてつもない力を発揮することがある。神田さんによると、サントリーには社員を守る企業文化が存在するという。それがあるからこそ、高い目標に挑戦することが可能なのだろう。

   本書を読むことで、「結果を出す強いチームづくりの秘訣」を理解できるのではないかと思う。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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