「もてなし」の流儀
そんな高級寿司でもてなす「鮨 西岡」は、ビジネスパーソンにとって接待に向いているといえそうだ。
「お客様に心地よく過ごしていただくために、しっかりと事前準備をし、笑顔でお帰りいただけるよう誠心誠意、努力する。これに尽きます」
西岡さんには「もてなし」の流儀がある。
店内の「空気」に気を配りながら、黙々と手を動かす。口数が少ないのは職人気質なのだろうが、お客様の会話を邪魔しない、心配りでもあるのだろう。「『五感で味わう』おもてなしに徹し、笑顔とともに帰路につけるよう、『至誠一貫』の精神を表現したい」と語る。
「至誠一貫」とは、相手の立場にたって、まごころを尽くすという精神をいう。常にゲストの立場で考え、時を忘れるほどの絶品の味と、非日常の空間で極上の幸せな時間を過ごしてもらえるよう、心を込める。
「接待のお客様だけでなく、ご家族で楽しいお時間を過ごしていただけるお店でありたいと思っています。これからも至誠一貫の気持ちを大切にし、毎回お客様に感動していただけるよう努力したいと思います。
寿司は日本の誇りだと思っていますので、この素晴らしい食文化を後世に受け継いでいきたいですし、その力になっていきたい」
これは「人を思う」西岡さんの、「接待」への心意気でもある。
【プロフィール】
西岡 辰己(にしおか・たつみ)
1965年、愛媛県生まれ。学校を卒業後に料理人となり、地元で修業を開始する。和食や寿司を中心としてその腕を磨き、26歳で上京。東京都内の人気寿司店で30年間にわたり美食を追求する。
2021年11月に独立し、南青山に「鮨 西岡」をオープン。