ビジネスパーソンをつなぐ「もてなし」の場でありたい 職人がこだわる「接待」の流儀

ネタの「おいしさ」を引き出す目利き

高級寿司で「『至誠一貫』の精神を表現したい」と語る大将の西岡辰巳さん
高級寿司で「『至誠一貫』の精神を表現したい」と語る大将の西岡辰巳さん

   「高級寿司」に、こだわりがある。

   経験が裏付けるその目利きで、豊洲市場から毎朝、新鮮な魚介を仕入れ、寿司の定番から滅多に出合えない貴重な逸品までを味わえるよう、入念に用意するネタ(食材)の仕入れは、「産地から食材を送っていただいたり、現地に赴き、自分の目と舌で確認したりして仕入れるものと、信頼している業者にお願いしているものがあります」と、西岡さん。

   豊洲市場は日本一おいしいネタが集まる場所であり、その中でも選りすぐりの魚介類や野菜を仕入れ、新潟の米にもこだわり、一つ一つ心を込めて仕込んだ食材を「五感で感じてもらいたい」と言う。

   だから、その時期に最もおいしいネタを準備する。

   たとえば真冬の豊洲市場に、その日届いた新鮮なまぐろを厳選。国産の上質なネタは、その美しさが目に飛び込み、口の中に入れれば、濃厚でとろけるような食感が広がる。

   それぞれのネタのもつ旨みを余すことなく堪能できるよう、仕入れの状況によって寿司ネタが日々変わる。この店に「お品書き」がないのは、そのためなのだ。

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