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金融庁「業種別支援の着眼点」を徹底解説

   金融庁は2022年12月、コロナ禍、資源高で苦境にある中小企業に対し、金融機関が取り組む際の「業種別支援の着眼点」(試行版)を発表した。その詳細な解説を特別付録として収めている。その原案作成に関わった北門信用金庫(北海道滝川市)の企業支援室長、伊藤貢作さんに取材したものをまとめたものだ。

   たとえば、建設業では、外注か自社工事施工か、集権型か分権型かなどを見極め、苦手意識を持たないことを求めている。

   飲食業では、店の適正面積、適正人数、常識的な原価率を知り、訪問時には「従業員の役割分担まで突き詰めて、適正賃金バランスを見直すのが「支援」だとしている。

   このほか、小売業、卸売業、運送業について解説している。

   伊藤さんが説く「経営改善計画」のつくり方が参考になりそうだ。

   ポイントは「企業経営者が自らの言葉で計画を説明できるまで腹落ちしているかどうか」だそうだ。なぜなら、行動変容につながらない計画は無意味だからだ。

   曜日・時間ごとの売上、原価、費用をどう見込んでいるのかといった、できるだけ具体的なものが望ましいという。真のバンカーとは「必ずなんとかする人間」だという。そんなバンカーが何人も登場する本書を読むと、勇気が湧いてくるかもしれない。(渡辺淳悦)

「地銀と中小企業の運命」
橋本卓典著
文春新書
990円(税込)

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