近年、世界的に環境と倫理に配慮した「エシカル消費」が広がっているが、私たち日本人はどのくらい実践しているだろうか。
そんななか、モバイル市場専門の調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が2023年4月5日、日本とアメリカ、フランスの3か国国民の意識の違いを比べた「日米仏3ヶ国比較:都市部消費者の食の意識・動向調査第3弾 ~エシカル消費編~」を発表した。
日本が、アメリカやフランスに比べて勝っているもの、また、まだまだ取り組みに足りない面とはいったいなにか?
日米仏3か国比較、「マイバック持参」は日本がトップだが...
「エシカル」(ethical)とは、「倫理的な」「道徳上の」という意味の形容詞だ。つまり、「法律などの縛りがなくても、みんなが正しい、公平だ、と思っていること」を示す。欧米を中心に倫理的活動に基づく「エシカル経済」「エシカル経営」「エシカル商品」「エシカル消費」といった言葉が広がっている。
「エシカル消費」とは、何かしらの犠牲の上に成り立っているのではなく、自分、そして他の人や社会、地球環境、自然にとってもよいものを積極的に選ぼう! という消費活動だ。
具体的には、フードロスに配慮した食品、児童労働を伴わない衣料品、生産過程で家畜の「福祉」に配慮した畜産物、有機・無農薬農産物、再生可能エネルギーで生産された商品などが挙げられる。
日々着ているもの、食べているもの、飲んでいるもの、使っているモノやサービス、商品が、どこで、どのように、誰に作られ、どんな会社によって提供されているかを知ることが重要だ。
MMD研究所の調査は、日米仏の都市部に住む20歳~49歳の男女合計1242人(日本430人、アメリカ406人、フランス406人)が対象だ。
まず、環境問題や倫理的な消費への意識から取り組んでいること・心がけていることを聞くと(複数回答可)、3か国いずれもトップ3は「買い物時にマイバックを持つようにしている」「食品ロスがでないように心がけている」「外出時にマイボトルを持つようにしている」だった。日本では「マイバック持参」(56.5%)が1位だが、米仏は「食品ロスがでないよう心がける」(53.2%、57.5%)が1位だ【図表1】。