敦賀原発2号機、原子力規制委が審査中断 事業者・原電の申請書、誤り続発で 重なる不手際、原発を操る資格あるのか?

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審査の焦点は、原子炉直下の断層が「活断層」か否か 原電のミス、累計1300か所に及ぶ

   原電は、名前の通り、原発専業の「国策会社」だ。敦賀2号機と東海第2原発(茨城県東海村)の2基を所有し、電力大手5社(東京、関西、中部、北陸、東北)に電力を販売していた。しかし、2011年3月の東日本大震災で福島第1原発事故が起きて以降は、10年以上、両原発とも停止したままだ。

   この間、発電量はゼロだが、電力5社は契約に基づいて、年間1000億円規模の「基本料金」を払い続けている。5社は原電の大株主でもあり、取締役には各社の社長が名を連ねる。

◆これまでの経緯とは?

   一刻も早く再稼働させたいところだが、遅々として進んでいない。その経過を振り返っておこう。 審査の焦点は、原子炉直下の断層が地震を引き起こす「活断層」か、否かだ。規制基準では活断層上への原発立地は認められない。

   規制委の有識者調査団は2015年、断層を「活断層の可能性が高い」と結論付けた。ところが一方、原電は独自に実施した地質調査を基に反論した。――これが審査の争点で、活断層でないことを立証できなければ、廃炉になる。原電は15年11月、「活断層ではない」と主張して再稼働の審査を申請した。

   だが、19年に1000か所以上の記載不備が見つかる。20年2月には、敷地内の掘削調査による地質の観測記録を無断で書き換えていたことが発覚し、審査を約2年中断する。

   規制委は原電本社への立ち入り調査なども実施したたうえで、22年12月、信頼性のある資料を作る体制が整ったと判断して審査を再開。

   しかし、過去に提出された審査資料に、157か所の誤りが新たに見つかった。さらに23年3月、断層の最新活動面で採取したサンプルで作製したとしていた薄片試料の作製位置を間違えていたなど、8件の誤りが原電から新たに報告される。それに及び、今回の審査再中断という異例の判断に至った。

   累計の誤りは1300か所に達する。

   規制委の山中伸介委員長は4月5日の記者会見で「審査ができない状態が続くのは非常に好ましくない」と指摘したうえで、「これが基本的に最後の判断だ」とも強調した。

   また、あらためて提出される書類に基づき「不許可か許可の判断をする2択になる」と述べ、不備があれば再稼働を不許可にする、つまり、廃炉の可能性にまで言及した。

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