その会議、必要ですか? 「価値ある会議」に変える方法【尾藤克之のオススメ】

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   コロナ以降、リモートワークが浸透してきているものの、日本人は会議好きとして知られている。私が以前勤務していた会社では、1日の稼動のうち6~7割は会議によって占められていた。「組織変革」がウリの会社だったが、実態はかなり非効率だった。

   不思議なもので、無駄な会議であっても、会議を開催した事実が積み重なると、仕事をした気分になるものだ。非効率的を改善するための策はないものか。

期待以上に部下が育つ高速会議(沖本るり子著)かんき出版

会議の「目的」と「目標」の設定を

   あなたの会社の会議は、次のどちらに近いだろうか。当てはまるものチェックをしてもらいたい。

   Aのチェックが多いと答え方は、「価値のない(時間の無駄)会議」に参加している可能性が高い。Bのチェックが多いと答えた方は「価値のある会議」に参加できている可能性が高い。書籍内のケースを引用する。

<Aパターン>
・発言する人が決まっている,発言しない人がいる
・開始時間・終了時間がぐだぐだになっている
・進行係のスキルで左右される
・誰が言ったか(役職)で左右される
・賛成反対で議論される
・人と組織の成果も成長もない
<Bパターン>
・目的・目標が参加者全員で共有できている
・参加者全員が発言する
・時間表があり,原則時間厳守で進んでいる
・誰が進行係でも成果が出せる
・意見で議論される
・賛否で議論されない
・人と組織の成果と成長がある
「会議を開催しようと思ったら会議の目的と目標を設定します。目的は『何のための会議か?』。目標は『会議が終わったときどうなっていればいいのか?』。目的と目標の意味を取り違えている人が多いので要注意です。また、他の手段で達成できないかも検討します。メールでできないか、書類の回覧で済まないかなどです」(沖本さん)
「どんなに考えても『会議』を開催するしかないと思ったら、開催を決定します。ところが、多くの会社では『無意味な会議』が多すぎるのです。事前の協議事項やスケジュールが不明瞭、アジェンダやレジュメも無く、参加者もわからない。さらに、書記が不在でどんな協議がされたか残されていない。こんなケースが少なくありません」(同)

もし会議の進行が脱線してしまったら?

   会議で困ることのひとつに、「脱線」がある。このような場合、迷惑だと思いつつも、なかなか指摘できないものだ。当事者が気づいていないと、さらに悲惨な結果を招いてしまう。

「ある中小企業の営業会議の会話です。営業マンA『新商品がないから、マンネリだよな。だから売上がいまいちなんだ』、営業マンB『売上と言われても新商品がないからな』、営業マンC『A社の新商品はかなり斬新だよな』、営業マンD『○○店で見てきましたよ。キャンペーン中でした』。そこで口をはさむ社員がいました」(沖本さん)
「2年目新人E『あの~先輩...すみません。売り上げ目標達成のために、全員か各自の目標達成できる策を具体的に決める会議ではないのでしょうか?』。このケースでは、Eさんのおかげで会議が軌道修正できましたが、これは軌道修正する人がいたからできたことです。実際には脱線したらなかなか軌道修正はできません」(同)

   気がつかないうちに、話が脱線することはよくある。このような場合は、テーマごとに時間を設定して、音が鳴るようにしているといいだろう。また、発言内容を全て記録するという決まり事をつくれば効果的だ。

   本書には会議を活用した組織変革方法が紹介されている。お金のかからない組織改革に興味のある方には参考になるだろう。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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