日立製作所株、4.7%安...24年3月期の連結最終益、23%減の業績予想を嫌気 23年3月期は好調だったのに

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24年3月期は、子会社・アステモの非連結化などで売上収益減の予想 証券会社リポート「第一印象はネガティブ」

   問題の2024年3月期の連結業績予想は、次の通り。売上収益は前期比19.1%減の8兆8000億円、営業利益は9.8%減の6750億円、調整後EBITAは5.6%減の8350億円、最終利益は23.0%減の5000億円だ。配当予想は公表しなかった。

   期中に自動車部品の子会社、日立Astemo(アステモ)への出資比率を引き下げ、持ち分法適用会社にすることなどで売上収益などが減る。

   減収は3期ぶり、最終減益は4期ぶり。売上収益が10兆円の大台を下回るのも3期ぶりだ。グループ再編でスリム化した結果とはいえ、業績予想の数値に踊り場感が出ていることは否めない。

   最終利益予想5000億円は、市場予想平均(5576億円)を大きく下回る。

   SMBC日興証券が業績予想発表後に配信したリポートは「アステモの非連結化やリスクバッファ200億円(営業利益ベース)を考慮しても下振れ幅は大きい印象。第一印象はネガティブ」と指摘した。

   業績予想などと同時に、自社株買いも発表した。自己株式を除く発行済み株式総数の2.13%にあたる2000万株、1000億円を上限とするものだが、規模感などから買いの材料とは見られなかったようだ。

   もっとも、日立が断行した「選択と集中」は海外投資家から高い評価を得ており、株価は2023年4月に23年ぶりの高値を更新したばかりで、足元で過熱感があったのも事実だ。

   ある程度株価が下げたところで、見直し買いが入る可能性も十分ありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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