日立製作所の株価が2023年4月28日の東京株式市場で一時、前日終値比360円(4.7%)安の7286円まで下げた。
前日27日の取引終了後、2023年3月期連結決算(国際会計基準)と併せて、2024年3月期の連結最終利益が前期比23.0%減になるといった業績予想を発表した。
子会社再編に伴ってある程度の減収減益は予想されてはいたが、それにしても保守的な見通しに投資家が嫌気したようだ。株主還元策にも関心が薄かった。
23年3月期は、最終利益6491億円...3期連続で過去最高更新 DX支援事業、鉄道事業、送配電事業など好調
まずは2023年3月期の業績を確認しておこう。売上高にあたる売上収益は前期比6.0%増の10兆8811億円、営業利益は1.3%増の7481億円、調整後EBITA(利払い・税引き・一部償却前利益)は3.4%増の8846億円。最終利益は11.3%増の6491億円だった。最終利益は3期連続で過去最高を更新した。
非中核事業をグループから外す子会社再編後の「ワン日立」にとって、経営の柱であるデジタルトランフォーメーション(DX)支援事業や、鉄道事業、送配電事業がいずれも好調で、鉄など原材料価格の上昇の影響をも抑えることができた。円安も寄与した。また、日立建機、日立物流(現ロジスティード)、日立金属(現プロテリアル)といった上場子会社の株式を売却したことも利益に貢献した。