欧州のエンジン車規制、方針転換へ...全面禁止から「合成燃料」使用認める だが、日本メーカーには必ずしも「朗報」と言えないワケ

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EUの決定に評価定まらず 日経社説「積極的な取り組み」求める、毎日社説「ガソリン利用の抜け穴となる懸念」指摘

   こうした将来的な不確定要素が多いこともあって、今回のEUの決定への評価はなかなか定まらないようだ。

   大手紙では日本経済新聞の社説(2023年3月30日)が「(合成燃料は)先行するEVに比べ自動車での利用は限定的だとの見方は強い。それでも気候変動対策をリードするEUが合成燃料を脱炭素の選択肢と明確にしたことは重要だ」として、「日本も合成燃料の技術開発やコスト低減、法制度の整備に取り組み、活用に備えなければならない」と、前向きにとらえ、積極的な取り組みを求める。

   一方、毎日新聞社説(4月9日)は「脱炭素の有力な選択肢として研究開発を進める意義は大きい」としつつも、むしろ「合成燃料に特化したエンジンでない限り、ガソリン利用の抜け穴となる懸念もある。......産業競争力の向上と脱炭素の両立につながるのか、十分に検証することが活用の前提となる」など、むしろ問題点の指摘に注力。今回のEUの決定が「地球温暖化対策にブレーキをかけることにならないか、注視する必要がある」と、慎重な姿勢を示している。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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