ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはKさんが、こんな疑問を抱えていらっしゃいました。
ついに「給与のデジタル払い」が解禁されましたね。普段、現金を使う機会が減っているので、早く解禁されないかなと待ち侘びています。実際に私たちが選択できるようになるまでにはまだ時間がかかるようなので、今から注意点などあれば知っておきたいです。
給与のデジタル払いについて
2023年4月から、「給与のデジタル払い」が解禁されました。これまで賃金の受け取りは現金、銀行口座、証券口座への振込でしたが、それらに加えて「デジタルマネー」による受け取りも可能になったのです。「デジタルマネー」とは、「~Pay」など主にキャッシュレス決済を指します。キャッシュレス決済サービスを提供するのが「資金移動業者」です。
Kさんのように、普段からデジタルマネーを使っている人にとっては、嬉しいお知らせなのかもしれないですね。ただし「今月からデジタルマネーで支払いに変更になるよ」というわけではないので、いざ導入された時にあたふたしないように、情報を仕入れておきましょう。
受け取り側(従業員)のメリット
あらためて、私たち受け取り側のメリットを知っておきましょう。
・キャッシュレス決済を利用しやすくなる
給与のデジタル払いが導入されると、給与は銀行ではなく「?Pay」などの資金移動業者口座に直接入金されます。銀行口座からキャッシュレス口座へ資金移動したり、チャージしたりする手間が省けるため、利便性が向上します。現在では銀行残高が少ないと、チャージできないってこともありますよね。このような不便さが解消されます。
・お金の支出管理をしやすくなる
現金支払いの場合、レシートがないと何にいくら支払ったかを正確に把握することができません。キャッシュレス決済の場合はアプリやWebからお金の支出管理がしやすくなります。お金の管理もしやすくなるのもメリットです。
・給与の一部だけをデジタルマネーで受け取れる
給与受け取りをデジタル給与として受け取る場合、デジタル給与として受け取る範囲や金額を自身で設定できるそうです。銀行口座とデジタル給与と使い分けることで、生活費や支払いなどを分けるなどお金を管理しやすくなるメリットがあります。
給与デジタル払いの注意点
給与デジタル払いは利便性が高いですが、注意点も知っておきましょう。
・口座上限残高が100万円
現在のルールでは、資金移動業者口座残高は100万円以下と設定されています。つまり、100万円を超える金額を貯めることができません。そのため、給与の金額が高い人はすぐに上限を超えてしまう可能性が高いため、逆にお金の管理に手間がかかってしまうかもしれません。
・給与すべてをデジタルマネーで受け取ると不便なことも
家賃や公共料金などキャッシュレス決済が対応していないことがあります。給与すべてをデジタルマネーで受け取ると支払いが不便になってしまうため、手元にある程度の現金を残しておく必要もあります。ただ、今後デジタル給与払いが浸透することで対応していくものも増えそうなので期待したいですね!
・希望する資金移動業者を利用できないことも
Kさんも含め、普段から使っているキャッシュレス決済があると思います。デジタル給与の導入には、厚生労働省による資金移動業者の許可と会社との労使協定での終結が必要になるため、従業員が希望する資金移動業者を利用できないこともあります。
実際には、厚生労働省による資金移動業者の許可と会社との労使協定での終結が必要なので、企業が導入するまでにはもう少し時間がかかりそうですね。
ただ、給与の受け取り方の選択肢が増えることで、受け取り方や回数も選択できるなど可能性も広がっていくかもしれません。私たちの生活スタイルにも影響がありそうなので、常に新しい情報はキャッチしておくといいですね!(ひろ子ママ)