経営破たんから1か月、デジタル時代を象徴した米SVBの破たん ネットバンキングの思わぬリスク

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店舗に並んだ預金者はほとんどいない

   米国では銀行が破たんした場合、1人あたり原則25万ドル(約3400万円)までの預金が保護される。SVBは大口顧客が多く、預金総額の9割にあたる約1500億ドル(約20兆円)が対象外になる恐れがあるとみられていた。

   SVBは、破たんが伝えられた3月10日(金)朝に債務超過に陥り、米金融当局が管理下に置くかどうかを検討している段階で、SNSなどを通じて銀行破たんの「ウワサ」が増幅。預金を失うことへの恐怖が瞬く間に広がったことがSVBを経営破たんに追い込んだ。SVBは大口預金が中心であったことも、預金の流出を速めた要因となった。

   日本貿易振興機構(JETRO)の3月22日付「ビジネス短信」によると、「(SVBが経営破たんした翌営業日である)13日(月)は、信用不安がウワサされる銀行から預金を下ろすための長い列ができていた。だが、翌14日(火)には、その動きが落ち着いていたように見える」としている。

   店舗に並んだ預金者はほとんどいない。しかし、少なくない預金者がスマートフォンで銀行のアプリや電話を使い、数分でお金を手に入れた。

「このような預金者同士の緊密なコミュニティがデジタルチャンネルを使ってつながっていると、銀行は風評被害による急激な資金流出をますます受けやすくなる」(3月25日付PBSニュース)

   SNSでネガティブ情報が拡散したときの「破壊力」は、最近頻発する外食店でみられる迷惑動画で拡散する事件で周知のとおりである。

   とはいえ、ネットバンキングの機能を制限することになると、顧客サービスの低下、後退につながるのでなかなか難しい。そうなると、預金流出に耐えられるだけの資産を有する必要が迫られる。規模の小さな金融機関にとっては、それも簡単ではない。

   SVBの経営破たんは、デジタル時代の最初の銀行破たんであり、決して対岸の火事ではないし、金融当局と金融機関に重い課題を突きつけたようでもある。

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