平日のランチ、なに食べる?
リクルート(東京都千代田区)の外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は働く人の平日のランチ実態を調べる「外食市場調査」の結果を発表した。
それによると、平日のランチは「自炊」が最多だったが、「外食」が3年ぶりに増加に転じた。また、平日ランチの平均予算は「447円」で過去最多。
しかも、「出前、デリバリーしたもの」では「平均1332円」、「外食店内での食事」では「平均1190円」で前年比84円の伸長しているなど、ビジネスパーソンの「ランチ事情」が明らかになった。
「自炊」が最多だが、構成比では減少 「外食」は3年ぶりに増加
この調査は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)、東海圏(愛知県、岐阜県、三重県)に住む20~69歳の男女1万4252件を対象に実施した。
はじめに、働く人の平日のランチの食べ方で1位となったのは「自炊、または家族等が作った食事」(31.4%)だった。2位は「小売店や飲食店で購入した食事」(20.8%)、3位は「自分、または家族等が作った弁当」(19.3%)、4位は「社食、学食」(8.2%)、5位は「外食店内での食事」(7.9%)となった。2位から5位は順位が変わっていないが、構成比は増加傾向にある。
続いて、1年前と比べて増えているランチの食べ方を見ると、「自炊、または家族等が作った食事・弁当」は0.5ポイントの増加、「小売店や飲食店で購入した食事」も0.5ポイントの増加、「社食・学食」が0.2ポイントの増加、「外食店内での食事」が1.0ポイントの増加となった。一方で、「自炊、または家族などが作った食事」は3.5ポイント減少になっているようだ。
さらに、「自分、または家族などが作った弁当」が伸びている層に注目してみると、20代女性(25.6%)、40代女性(29.8%)、50代女性(25.0%)、60代女性(26.7%)といずれも女性の数字が伸びた。また、「自炊、または家族などが作った食事」が伸長したのは50代女性(37.4%)と60代女性(40.9%)のようだ。
平日のランチ予算、高いのは? 20代女性「外食店内での食事」平均1377円 60代女性「出前、デリバリー」平均2027円
平日のランチの予算を見てみると、全体平均は「447円」。これは、昨年度までで最も高かった2020年の「431円」を上回り、過去4年で最高額になったという。
形態別で最も高かったのは「出前、デリバリーしたもの」で平均「1332円」(前年1274円)、次いで「外食店内での食事」も平均「1190円」(前年1104円)と、平均1000円以上となっており、ともに3年連続で増額した。
一方で、他の食べ方に関しても、最も安い「自炊、または家族等が作った食事・弁当」の平均393円(前年368円)を含め、すべての食べ方で前年比から増額している。
属性別でみると、特に高額なのが20代女性の「外食店内での食事」が平均「1377円」。60代女性の「出前、デリバリーしたもの」で平均「2027円」となった。
エリア別でみてみると、首都圏が最高の「461円」、次いで関西圏が「441円」、最安は東海圏の「402円」となった。
なお、全体の平均値は、「総額(1回あたり平均値×平日いずれか実施した人の人数×1週間あたりの平均回)」としている。
働き方の変化によるランチへの影響について質問してみると、「テレワーク」の増加や定着が調査対象のランチ形態に一定の影響を与えているようだ。
テレワークを行う機会が増えた人の中で、「一人でランチを食べることが増えた」「自宅でランチを食べることが増えた」「仕事をしながらランチを食べることが増えた」のそれぞれが減少したが、新しい項目となった「テレワークが日常化した」が増えている。
また、「コロナ禍前までの働き方に戻りつつあるため」と回答した人の中で、「職場の同僚などと複数人で食べることが増えた」が5.7ポイントの上昇、「ランチで外出する機会が増えた」が5.1ポイント上昇している。
こうした傾向に、同社では「コロナ関連影響の大きさが改めて明らか」と見ている。
同社ではまとめとして
「新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いて、有職者が自宅でランチを食べる機会が減っているようだ。性年代別では、『自分、または家族等が作った弁当』は男性よりも女性において高く、60代男性では、『外食店内での食事』が他の性年代より顕著に高かった」
としている。