コマツの「DANTOTSU」...カーボンニュートラルを、ESGと収益向上の両立で実現【脱炭素銘柄をねらう】

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「DX」で成し遂げるカーボンニュートラル

   これらを踏まえ、「カーボンニュートラルへの取り組みの現状」では、一般土木、地表マイニング(採掘)、地下マイニング(採掘)の3分野に大別して、対象機器とその使用動力源を一覧にしている。

   本業の「建設・鉱山機械にとっての水素の重要性」について、5分類のエネルギー源(太陽光・風力・水力、原子力、バイオマス、化石燃料、副産物)と、電力と水素のエネルギー、6種類の動力源(有線式、バッテリー式、燃料電池車、ディーゼルエンジン車、水素混焼エンジン車、水素専焼エンジン車)を体系づけて、水素の重要性を説明。

   さらに、「カーボンニュートラル対応鉱山・建設機械への水素供給」では、乗用車・バス・トラック(自走して水素充填にいける)と、建設・鉱山機械(自走して水素充填に行けない、行き難い)などの事例をあげて、鉱山・建設機械の抱える問題点を説明して、「稼働現場にて高速に水素を供給できるシステムが不可欠」と結論づけている。

   こうした背景から、週刊東洋経済(2023年2月18日号)の「2023年版・信頼される会社CSR企業ランキング」で、コマツはCSR(企業の社会的責任)と財務の両データから「信頼される会社」を見つける「CSR企業ランキング」で、300社中16位と高い評価を得ている。

   それはそうだろう。カーボンニュートラルの実現を、自社の事業に落とし込み、事業変革(DX=デジタルトランスフォーメーション)へと昇華させるのはスゴイことではないかと思えた。

   企業が長期的に成長するためには、経営においてESGの3つの観点が必要だという考えのもと、コマツはESGへの課題解決と収益向上の両立を目標に取り組んでいる様子がうかがえる。このような積み重ねが、今日のコマツの業績を支えているのだろう。

   直近のコマツの株価は、4月27日付の終値で3291円。今年になってからの最高値は3499円(2023年3月8日)、最安値が2792円(2023年1月5日)だった。下落相場のとき、2600円前後で拾いたい。

   コマツは、これからも世界で勝ち残ることのできる企業ではないかと期待している。(石井治彦)

コマツ(6301)
年初来高値2023年3月8日●3499円
年初来安値2023年1月5日●2792円
直近 終値2023年4月26日●3291円

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